仕事情報誌ドカント

原口あきまさ 原口あきまさ
 21世紀のモノマネ王者、原口あきまさ。しかしあらゆるタレントのモノ
マネをレパートリーにしながら、それに飽き足らず、新境地を開拓とDVD「ネタじゃないから!」を8月にリリース。得意の有名人モノマネをやらない!? だってモノマネタレントでしょ? いやいや、今回のインタビューを読んでいただければ、ネタなしのタネが分かりますから!!

INTERVIEW /佐々木竜太 PHOTO/谷口達郎

---8月9日に発売されるDVD「ネタじゃないから!」についてお話をお伺いします。モノマネを一切やらないということですが。
「そうなんです。タレントさんのモノマネは一切やっていないんですよ。僕っていうとモノマネのイメージがありますよね。DVDで何をするんだってなった時に、逆にモノマネ以外のことをやれたら面白いなって話になって。

ある面では僕のモノマネにも繋がるんですけれど『人間観察』っていう、要はネタ探しですよね。自分たちの周りをよく観察していると、いろいろすごく面白い人たちがいる…。その人たちのことをライブとかで話していたのですが、それを直接演じたらまた面白いかなと」

---有名人じゃなくて一般の人を真似する?
「そうですね。そういう人たちを100人真似しているんですよ」

---100人ですか? どういった形態で? 舞台でやったものを撮影している感じですか 。
「いえ、全部ロケです。要は僕のトークのネタみたいなのを、全部演じているというわけなんですけど。実は直接的に笑わせようと思ってやっていることは全然ないんですよ。面白いことやってないんですけど、なんか笑えるんですよ。見てて」

---具体的にはどのような内容なのでしょうか?
「例えば僕がいつもよくロケで遭遇することなんですけど、おばちゃんたちに見つけられた時に『あなたよくテレビ出てるわね〜。忙しいわね〜。ホラ、みんな写真も撮ってもらいなさいよ』と。『ファンなのよぉ。私いつもいつも見てるのよぉ』。でも、僕の名前全然知らないんですよ」

---ははは。いますね、そういう人。
「そういうおばちゃんは、僕らの中でマダムコーディネーター、MCって呼んでるんです。もうその場を仕切っちゃうマダムということですね。そういう『いるいる!』って人たちを集めてる感じですね。例えば電車でドア付近に立っている人で、何があったんだ? っていうくらいすごい暗い人がいるとしますよね…。ここが電車の扉だとしたら(と、おもむろに立ち上がり、窓際に行き伏し目がちに外を見つめる)」

---いますね。もう今にも死にそうな!!
「出る時にはココ(窓)に化粧の跡がついてて(笑)。そういう人たちに、いろんなニックネームをつけたりとかしてるんですよ。僕はよく飲み会に行くということでコンパキャラみたいになっていますけど、そういう時もただ飲み会に行っているんじゃなくて、いろんなネタを探しているんです。

そのシチュエーションをなんだかんだと、10以上の…レストランだとか、コンビニだとか、飲み会だとかっていうシチュエーションに分けて、その飲み会でよく見かける人を僕が真似しているんです。

だからダイレクトに狙いの笑いを取りにいっているわけではないんですよね。その人をもろリアルに演じているというだけで。でも見てたら笑えて『いるね。こういうヤツって!』みたいな。みんなの周りにもいると思うんですよ」

---何気に笑ってしまう行動パターンの人を集めたということですか。
「自分の周りにそういう人が何人いるかとか、自分はこの人だとか、そういったことが当てはまると思うんですね。その辺でまた楽しみが膨らむんじゃないかなという気がします。どんな場面でもそうですけど、初対面の人ってちょっと話しずらいじゃないですか。何話せばいいか分からない。でも『こういう人に最近会ったんですよ』とか。『こういう人っているよね』的な話って、すごく話で膨らむんですよ」

---確かにそうですね。他人の面白い行動を共通項にしてしまうと。

「そうなんです。みんなが入ってこれる話なんですよ。何か共通の知っている人って。そういう意味でも、困った時とか嫌なことがあった時に、コレを見ていただくと、すごく癒されるかなと(笑)」

---まずそのDVDで原口さんとお客さんとの共通項を確認して、またそのお客さんが友だちと共通項を確認。で、またその友だちが回していくという(笑)。今月から連続ドラマに出演されている原口さんですが、内容と役どころを教えていただけますか?
「月9ですから、自分が一番ビックリしています(笑)。広告代理店が舞台で、働く女性が、恋愛を二の次に考えているというドラマなんですね。主食が仕事で補助食品が恋愛みたいな。ドラマのタイトルが『サプリ』。でも主人公はそこからだんだん恋愛に目覚めていくという…。僕は主人公の伊東美咲さんとか、佐藤浩市さんが働いている会社の社員で、同じチームなんです。CMクリエイターだったかな!? 歌って踊れる、お祭り男社員なんですよ」

---特に仲良くなった方とかは。
「役柄で男おばさん3人衆みたいなメンバーがいまして、相島一之さん、佐藤重幸さんと昼メシを食べに行ったり。亀梨くんにはキムチスパをおごってあげました(笑)。伊藤美咲さんともよく話すし、白石美帆ちゃんとかも。撮影が始まった時期が、ちょうどサッカーW杯をやっていたので、白石さんがドイツ行って帰ってきたりした話があって、話しやすかったですね」

---そういう共通の話題があるとコミュニケーションを取りやすいですよね。普段のモノマネをしている時と、役者の演技との違いを教えていただけますか?
「コントにならないようには気をつけています。監督からは『一応、やり過ぎで、やってみてください』って言われてて『ホントにやり過ぎたら言います』と。でも、やっぱりね、やり過ぎて注意されるのもイヤだから(笑)。ドラマの現場ってドラマの空気があるから。そこで『求められているものは何なんだろう?』って考えて。そのプラスアルファで演技もしなくてはいけないわけだし。コントだったらコントの演じ方がありますからね。だからそっちにいかないようにはしています」

---監督がいいと言っているわけだから、やっちゃってるのかな? とも思ったんですけれど。
「でも、あまり注意されたくないじゃないですか。いいコでいたいじゃないですか(笑)」



---デビュー前のことをお聞きしたいのですが。
「貧乏時代のエピソードといえばですね、銭湯が印象的なんですけれど。なんだかんだ忙しくて、もう銭湯が締まる寸前に、駆け込むようにして入れてもらったんですね。僕も時間ギリギリでムリヤリ入れてもらったわけだから、遠慮して頭と体を急いでサーッと洗って、出ようと思っていたんですよ。そしたらデッキブラシを持ったおじちゃんが『入ってけよ。外は寒いぞ』って」

---感動的なエピソードじゃないですか。
「そう。『今日はフロ屋のおじちゃんの温かい心に触れたなぁ』と、お湯に浸かってたら、ズズズズズーッ…って。何かな? と思ったら」

---ネタですね…。
「お湯抜くんかい! みたいな。『ネタじゃないから!』」

---他にありますか?
「また銭湯なんですけど、僕は自分のアパートに新聞を敷いて寝てたんですよ、汗を吸うんで。で、そのまま銭湯に行った時に、銭湯のおばあちゃんが、肩を叩くわけですよ。『アンタ、ちょっとここに来てもらったら困る』と」

---なぜですか?
「なんだろうと思って、背中を鏡で見てみたんですよ。そしたらギョエーッ。背中で魚が泳いでいる。キラキラと輝く七色の淡水魚が!!」---まさに組の若い衆の背中のごとく!!「ちょうど、スポーツ新聞の釣りの記事だったんですよ」

---本当ですか? ネタじゃないんですか。
「『ネタじゃないから!』。今日、コレ、何回か使うから。宣伝のために(笑)。で、コレ、新聞の印字ですって言ったんだけど、おばあちゃんボケちゃってて。『アンタ、早く自分の事務所に帰りなさい』って」

---ネタすぎますよ…。
「『ネタじゃないから!』!! ホントにヒドイですよ、このボロアパートに住んでた時は。当時、付き合っていた彼女がいたんですけれど、僕はすごい大金持ちだっていう嘘をついていたわけですよ。本当はおじゃまんが山田くんみたいな家に住んでいるんですよ。今にも壊れそうな。で、いつも同じジーンズ履いてるんですけど、ダメージジーンズをたくさん持っているように見せかけるために、自分でどんどん会うたびに切っていくんです」

---ダメージジーンズが何本もあるように…。

「最終的に短パンができましたからね。そんな状態なのに、その時の彼女は『なんで家に呼んでくれないの? 女が住んでるんじゃないの』って本気で疑い始めて」



---その時点ではまだ原口さんが大金持ちだと思っていると。

「『じゃぁ、連れてってくれてもいいじゃん』と。そこで僕も賭けに出て『いいけど、引くなよ。気絶するなよ』。いざ、連れてって『ココだよ』って見上げたら『ココ? 意外と普通だったのね…』って隣の一軒家を見ながら言うんです。『いや…』と人差し指を少し左の、おじゃまんが邸に向けた瞬間、『私…急にお腹が痛くなって』と駅とは反対の方向にダッシュしていきました。彼女とはそれ以来、連絡自体取れなくなりました」

---それは…切ないですね…。でもネタですよね?
「いや〜『ネタじゃないから!』。ふぅ〜」

---逆に今までで良かったなと思うことはなんでしょうか?
「やっぱりデビューできたことですね。初心、忘るべからずで。でもさらに生き残っていくのは、相当難しいと思うんですよ、この業界で。お笑いなんて特にシビアですからね」

---1年前にあんなに騒がれていたのにという方は、結構いらっしゃいますものね。
「だからそんなブームでドカーンと出なくてよかったな、というのは何気に思ってます」

---消えて行く芸人さんは何が原因だと思いますか?

「なんだろう…。まずは自分のやる気次第だと思うんですけどね。売れたからそれでいいやって思う人もいるだろうけど、本当に残りたかったら、頑張るだろうし。だから要は自分が勘違いしなければいいんじゃないでしょうか」

---勘違いですか?
「多少、表に出てキャーキャー言われたからって、それで満足している自分がいたら、僕はそこで終わっちゃうと思うんですよね。努力しなくなっちゃうと。だからって僕もそんなに努力はしていない方ですけど(笑)。本当に応援してくれる人のために一生懸命に頑張るという気持ちだと思いますよ。そうすればそのうち評価も広がっていくだろうし。

一番好きなことをやっていることが、逆に一番辛いかもしれませんからね。難しいことですからね。『好きなことやって、いいねぇ』と、よく言われますけど。好きなことを続けていくって、本当はすっごい大変だと思うんですよ」

---これからの目標を教えていただけますか。
「これからはですね、幅広く、このDVDやドラマもそうですけど、モノマネ以外の原口あきまさもちょいちょい見ていただけると思うので。いろんな原口を楽しんでいただければと思います」

---意外とあっさりですね。いいんですか? こんな感じで。

「いいんじゃないですか(笑)。あっ、DVDヨロシク〜」
INFORMATION
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DVD「ネタじゃないから!」

デビュー10年目にして初の単独DVD「ネタじゃないから!」(ソニーミュージックダイレクト)を8月9日に発売する。しかも、得意とするものまねを一切封印。芸の基礎となる人間観察にこだわって、日常で出会うおかしな“いるいる人間”100人を原口本人が演じている。「男性トイレで用をたしている最中に、便器の上に置いたカバンが落ちそうになり、顔で受け止める人」「つぶつぶ入りの缶ジュースを開けてから振る人」「バイブモードにした携帯がカバンの中で鳴っていて、いつまでも探しているサラリーマン」「『命かけてもいいら!』って、くだらないことで命を懸ける子ども」などを独断と偏見で遭遇率を%で示し、はなわ、前田健ら芸人仲間を友情出演させるなど見どころ満載だ。

☆原口あきまさの「ネタじゃないから!」上映会&トークショー
7月19日(水)東京・銀座博品館劇場
18:30開場〜 19:00開演〜 20:30閉演(予定)

一般申し込み:
http://www.etsubo.com
お問合せ:(株)ソニーミュージックダイレクト(03-3515-5593)


PROFILE

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原口あきまさ(はらぐち・あきまさ)
1975年11月3日生まれ。30歳。福岡県北九州市出身。

高校卒業後上京し東京アナウンス学院に進学。在学中、現事務所にスカウトされる。
98年からソロ活動を開始。明石家さんま、とんねるず、柳葉敏郎、久本雅美などおなじみの声まねからGLAY、桑田佳祐など歌まね、さらにはプロレスラーまで豊富なレパートリーを誇るエンターティナーとして活躍。
日本テレビ系「ものまねバトル大賞」「ものまねバトル☆CLUB」「汐留イベント部」、RKB「原口・はなわの踊る!すまいる大御殿」「九州青春銀行」、FM福岡「原口あきまさとはなわのグルグルロック」などレギュラー番組も多数。
7月10日スタートのフジテレビ系ドラマ「サプリ」(月曜午後9時)に松井良英役で出演中だ。

公式HP「@原口あきまさの@あ's R」
→http://akimasa.beak.jp/



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