仕事情報誌ドカント

品川庄司 品川庄司
「お笑いは好き。しかしどう活動すればいいのか…」と悶々としていた品川と庄司。そんな時にタイミングよく東京吉本総合学院が創設された。
「とにかく入ればなんとかなる」と入学した先で、お互いにとって運命の出会いをすることに!! 多くの若手芸人がいる中、この2人がこれだけ売れているのはなぜか!? お笑い界のみならず万人に共通する品川庄司流、哲学に迫る!!

INTERVIEW /佐々木竜太 PHOTO/谷口達郎

---まず、お2人が芸人になろうと思ったきっかけを教えていただきたいのですが。
品川「今でこそお笑いブームとかあるんで、ちょっと入りやすくなったとは思うんですけど。
でも10年前ですからね。どんな風に始めていいかはよく分からないけど、とりあえずお笑いが好きという状態で。そんな時に東京NSCって専門学校ができたんです。とりあえず学校に入れば、その先は吉本に入って…がなんとなく見えたから。じゃあ、行けるのかなっていう感じでした」

---その前になりたかったものはありましたか?
品川「飲食店で働いてた時は、自分でお店しようかと思ったり。スキューバダイビングのインストラクターを目指してた時期もありました」

---庄司さんは?
庄司「僕も同じでお笑いに興味があって、やりたいなと思ってたんですけど、どうしていいか分からず…。ライブとかは観に行ってたんですけど」

---お笑いのライブを?
庄司「で、同じくタイミングよく、東京NSCという養成所ができるっていうのを聞いて、そこに入れば、もしかしたらなんとかなるんじゃないかと。そこで相方だったりとか、お笑いの空気に触れられるんじゃないかっていうことで入りましたね」

---コンビというのは事務所が決めるんですか?
品川「僕たちで養成所の中で自由に決めました。1人目立ってるっていうか威張ってるヤツがいて、そいつ中心に何人かいる中でその端と端みたいな関係(笑)。直接話すっていうよりは、グループの中でホント端と端にいたって感じで」

---お互いの最初の印象っていうのは?
庄司「2人で組む前にその目立ってた人と品川が、コンビを組んで、ネタを作って授業で見せてたんで。それが最初ですね。『積極的にネタを作って発表する人だなぁ』っていうか。『お笑いにすごく熱心な人なんだ』って」

---養成所時代から、品川さんはネタを頻繁に作ってらっしゃったと。
品川「今でも途切れなく作り続けるタイプではあると思いますね」

---アイディアはどういう風に生み出していくんでしょうか?
品川「やっぱり入るまでの23年間のこんな事したら面白いだろうっていう、なんとなーく考えてた“貯金”みたいなものがあったんで。最初のうちは楽に考えられましたけど、今はもうそれこそひねり出すじゃないですけどその辺歩き回って考える。
とりあえず歩くんですよ僕、考える時は。家にいるとテレビ見ちゃうんで。だから30分とか、歩くときは1時間くらいとか歩きながら考えますね」

---新人時代の苦労話、面白話というのを聞かせていただけますか?
庄司さんは、羽田空港でアルバイトされていたという話ですが。

庄司「それは1日で辞めてますけど」

---1日で(笑)。ほかに何か?
庄司「そうですね…。バイトだったら、カラオケの店員。あと倉庫の中で、商品を出庫する仕事とか。登録制の日雇いバイトとか。でも、どれもあんまり続かなかったですね。僕はどちらかっていうと先輩に誘われたら、そっちの方に行きたいっていうのが強かったんで(笑)バイトがあるので…って断るのはあんまり。好きじゃなかったっていうのもあるんですけど。そういうのを多々やってると、雇う側からしてみれば、なんなんだと思われて。何度かクビになってますね」

---バイト先でケンカみたいなものは?
庄司「ケンカはないですけど…。面接ですごくイヤな感じで言われて、怒って…じゃあいいです! って帰ったことはありますね。偉そうに言われて、カチンときて、帰ったことも。でも、バイト先でキレたことはないですね。キレる時は、そのバイトを、もう行かないって決めた時(笑)」

---キレたら行かない、と(笑)。品川さんは?
品川「『続きましては何番テーブルの…それでは歌っていただきましょう』みたいなカラオケパブで、司会やったりウェイターやったり、裏で料理作ったり。でもずっと使われてるのイヤじゃないですか。自分がやってる仕事の延長上だったら店持つ方がいいかなって、考えたこともありますよ」

---他に仕事は?
品川「いっぱいやってますよ。肉体労働もやってましたし、その時は40〜50万稼いでました、搬入の仕事で。建築資材の搬入。あとは床材とか、壁もやりましたし工事現場はけっこうやりましたね」




---売れる芸人さん、売れない芸人さんがいると思うのですが、売れるための心がけというのはなんだと思いますか?
品川「僕はけっこう理論派で、理屈が好きだから考えましたね。面白いのに売れてない人もいて、そんなに面白くない人でもテレビに出てたりして。ラッキーじゃなくて必要とされて出てる人との差ってなんだろうなと思って。この人はこうかな、あの人はああだから…って、すごい考えますね。テレビも見ますし。

どういうことが使われて、どういうことがカットで放送されないのか? とか。やれることは何でもしようっていうのはありました。テレビに出れるんだったら…、とにかく全部やってみようとは思ってました」

---テレビだと番組的にパズルのピースみたいに、うまくハマッてる人が強いですよね。
品川「今の時代、面白いは基本、当たり前。それに例えばデブ枠、ちっちゃい枠、大きい枠が何席残っているんだ、そういうふうに席数って決まってて、その中で一番面白い人が売れて。
頭がいいとか、いい大学出てるとか、スポーツできるとかも強い。結局、自分に何ができるって見つけた人が勝つんでしょうね」

---自分の得意なポイントを知っていれば、そこ伸ばして、チャンスがあると。
品川「そうですね。誰かが見つけてくれる場合もありますしね。そういう場合はラッキーですね。番組が見つけてくれたりとか、先輩がそこを広げてくれたりとかっていう場合もありますから、そういう人はラッキーだと思いますよ」

---基本的にそのように分析をして解決をしていくわけですね。
品川「そうですね。僕は高視聴率の番組は全部、録画して見ますし。一応世間で流行っていることも、見るようにして。好きですからね〜」

---庄司さんが工夫していることって?
庄司「そんなに器用なほうじゃないんで。若手のころはライブしかなかったんで、そこで頑張ったり。テレビに出してもらえるようになったら、自分がどういうふうに求められているのか…っていうのは考えてやってますけど。あとはホントに今、自分ができることはなんなのかっていうのは考えてます」

---最大の失敗談はどんなことがありました。
品川「『笑っていいとも!』にゲストで行って、最初レギュラーメンバーがバーッと出るんですけど、庄司がそのレギュラーが出て行く時に一緒に出ちゃって…ビックリしましたね。何やってんのコイツ!? みたいな。いいともには何回か出さしてもらったことがあるにもかかわらず」

庄司「実際、自信満々に出て行ってたから…。なぜか分かんないけど(笑)。なんでお前出てんだみたいなことでいじられてる時に、品川がそこから…合流(笑)」

品川「もうしょうがないから、かぶせるしかないと思って、タモリさんしか真ん中から出たことないのに、そこから出て…」

---品川さんが真ん中から出ちゃって(笑)。

「『お前もなんで出てきちゃうんだよ。そこタモリさんしか出てきちゃいけないんだぞ』みたいな感じで、笑いでなんとなく収まりましたけど。庄司が出て行った時はビックリしました。
『あら、出てっちゃったよ』みたいな」




---でも、最終的には笑いで落着して(笑)。
品川「天然ですからね、庄司クンは! 生放送でネタやった時もツッコミのセリフが出てこなかったんですよ。ングッ! となって。で、オレに裏拳してドーンッてやって『どうもありがとうございました』ってネタ終わらしたんですよ。もう腹たって! 腹たって!!」

庄司「(ただ苦笑するのみ)」

品川「単純なひと言ですよ。『なんでだよ!』とか『もういいよ!』とかの。なのにングッ! ってなって、ダーッって(裏拳のジェスチャーをする)。で、オレだけ乗り遅れて感じ悪く見えて」

---品川さんが失敗したかのような雰囲気になってくると(笑)。
品川「ライブでもよくありますね。セリフ飛んじゃって出てこないんですよ。早く言えって思うじゃないですか。漫才だったら、そこをいじれるんですけど、お芝居的な要素もあるコントだとできない。

オレの顔見て、『なんだお前、その顔』みたいなセリフを3回くらい言って。なんかオレが忘れてるみたいな空気にして、自分で『ハァ〜』って」

---DVDでコントの時、庄司さん半笑いで、止まるような瞬間ありますね。
品川「最っ低の男ですよ!」

庄司「しょうがないすね!」

品川「だいぶ先の方を思い出したら、それをオレが戻して」

---コントのスピード感すごいですもんね。こう、たたみかけて行くじゃないですか。
品川「うちは、こう、テンポを大事にしているのに!」

---これから何かに頑張ろうとしている人に、メッセージをお願いします。

庄司「いろんなことやっていいんじゃないかと思います。アルバイトでもなんでも。自分に合ったものを探しながら、やっていったほうがいいとは思います」

---いろんなことをやって、そこから…。
庄司「自分が一生懸命できるものを、まず探したほうがいいんじゃないかなと思いますね」

---確かにその通りですね。
品川「手を抜かなければなんとかなると思うんですよね。手抜くって何にもつながらないでしょ。手抜くって、ある意味その場の現状に、満足しちゃってるって思うんですよね。

現状に満足してなかったら、その仕事終わった瞬間に、次の仕事したいはずだから、手抜けないと思うんですよ。それは大きな意味でも小さな意味でも。 僕は基本的に24時間お笑いのこと考えてますからね。お笑いが好きだから。もうこれでしか食べていけないだろうなって思うし。そしたら、おのずとやることは決まってくるんじゃないかなとは思います」
INFORMATION
------------

DVD「デコレーション」
コロンビアミュージックエンタテインメント
2月22日発売

2005年7月22日から24日の3日間に渡って、新宿安田生命ホールで計4公演行われた、入手困難な品川庄司の単独ライブを余すことなく収録。

品川の多彩なキャラに、庄司の巧妙なボケ…テレビでは見ることのできないデープな品川庄司の世界がそこにある!


PROFILE

--------
品川庄司(しながわ・しょうじ)

品川祐(しながわ・ひろし)
1972年4月26日生まれ 東京都出身 
趣味/マンガ・映画・ビデオを見ること


庄司智春(しょうじ・ともはる)
1976年1月1日生まれ 東京都出身
趣味/スノーボード・ビリヤード・野球・ギター

吉本興業所属で、95年4月に入学した東京吉本総合学院(東京NSC)第1期生。選抜コース11組に選ばれ、将来を嘱望、96年4月、銀座7丁目劇場でデビューを飾る。

昨年は参加資格最後のコンビ結成10年目にして念願のM-1GP決勝進出(4位)を果たした。

テレビのネタ番組やルミネtheよしもとの舞台などでは見事な掛け合いを見せる本格的なしゃべくり漫才を披露するが、毎夏恒例の単独コントライブも評価が高く、緻密な構成と迫力ある演技に魅了されること間違いなし。

主なレギュラー番組に「ココリコミラクルタイプ」(フジテレビ系)「うちあげ」(中部日本放送)「笑っていいとも!」(フジテレビ系)「全員正解あたりまえ!クイス」(TBS系)「リンカーン」(TBS系)「爆笑問題の検索ちゃん」(テレビ朝日系)などがある。



→過去のインタビューを見る


許可無く複製、転載する事は法律に触れます。COPYRIGHT(c)2006 DigitalStyle co,Ltd.ALL RIGHTS RESERVED.