仕事情報誌ドカント

藤岡弘、 藤岡弘、
俳優、武道家、さらにはボランティア活動を通して全世界的に有名な藤岡弘、氏が遂に本誌に登場! 初代仮面ライダー時代の苦労、ブルース・リー以来、2人目のアジア人としてハリウッド映画に出演した際の秘話。武士道を通じて、困難を乗り越えるコツを伝授してくれた。しかも取材当日は、ご本人自らが富士山で汲んできたという、天然水を使ったコーヒーをふるまってくれました。やはり“永遠の兄貴”です!!

Interview/内埜さくら Photo/谷口達郎

---幅広く活躍されている藤岡さんですが、情報番組「おもいッきりイイ!! テレビ」では、食に関するコーナーを担当されてますよね。
私自身も体に良い食材にはこだわり、選んでますからね。食材に情熱をかける人たちをあえて“食材バカ”と呼ばせてき、生産から消費までを追うドキュメンタリー企画なんですよ。


---今は手軽にコンビニで食事を済ませる人も多いですが…。
食生活を大事にしない人は、自分自身を粗末にしているということ。自分を愛していない行為です。自分を愛することができなければ、他者を愛することもできなくなってしまうのに…。


---それは藤岡さんが大事になさっている、武士道とも繋がりますか?
もちろんです。戦後、GHQの政策で追いやられてしまいましたが、それまでは外国から羨ましがられていたのが武士道なんですよ。でも現在は、海外では注目を集め始めてもいるんです。日本人はそれを自覚して、武士道をぜひ、継承してほしい。切に願いますね。


---武士道が海外から注目?
俳優業やボランティア活動を通して数多くの外国を訪問しながら実感したことです。世界は認めてるのに、日本だけがなぜ無視するのか。武士道に重きを置かない日本人は、古来からの財産を捨ててしまっているんですよ。もったいないですね。


---武士道というものを簡単に説明していただければ。
藤岡家の家訓の中で重きを置かれていたのが武士道でした。人と人との和を重んじ、正義を主とす。勤勉で、耐え忍び我慢する。誇りを失わず、恥を知り、分をわきまえて足ることを知る。そして自分で責任をとる…まだまだありますが。


---意味は分かりやすいですが、実際その通りに行動しようとするのは難しそうです…。
それは、頭だけで理解しようとするからですよ。実践しなければ、体の芯まで染み込むはずがないんです。武士道とはつまり、他力本願ではなく自力本願。現代は、生きること自体がサバイバルですから、すべて責任は自分で取るのが自然なんです。


---武士道は、藤岡さんが主演したハ リウッド映画のスタッフ陣にも受け入れられたんですよね。
現地へ着いて初めて、脚本がメチャクチャなことを知ったんです。武士が地上に降りてきて暴れるという、ありえないストーリー。武士に関する間違った知識が満載だったんです。だから撮影に入る前、在米の日本人家庭から竹をもらい、ハリウッドのスタッフに武道を見せました。礼儀作法からすべてを。


---そこで、ハリウッド陣の反応がガ ラッと変わった、と。
日本をリスペクトしてくれるようになりました。それまで、登場するのは武士なのに、中国の暖簾やタイの置物がセットに使われていたんです。でも、それも全部外してくれて。私の呼び方も、ジャップという差別的な名前からミスターフジオカに変わり、最終的にはヒロシサンと日本語混じりになりました。ただ、私が真剣を使った時の迫力がすごかったらしく、スタッフには撮影以外では真剣を取り上げられるというハプニングもありましたが(笑)。


---その時に名前の後ろに「、」を付けられたんですよね。
戦国武将が使っていたんです。脚本を変更してもらう交渉が上手くいかなかった時に『絶対に退かないぞ』という意味を込めてつけました。いまだ成長せず、成長し続けるという思いが『、』なんです。




---藤岡さんは、仮面ライダー主演時代にも困難を乗り越えられてきましたよね。
第1話目の放送日には、病院のベッドの上にいましたからね。スタントなしの撮影中にバイク事故で大ケガを負い入院。全治6ヶ月の重傷で、周りには再起不能だと噂されてました。でも、リハビリして復活できたことで、私にとっては大きな転機にもなりました。


---大事故を経て得た教訓などは。
困難を飛び越えた先にしか、栄光と未来は存在しないという事実です。だから、いばらの道を通り抜けなければ、そこに眠っている財宝とも巡り会えないんです、永遠に。


---精神修行をされてきた、藤岡さんならではのお言葉です。
私はずっと、一匹狼でしたから。プロダクションに所属したこともなく、今まで芸能活動を続けてきたんです。守ってくれるものがないから、発信したものが全部自分に返ってくる出来事の繰り返し。だから、これまでの人生で安定期間はありませんでした。私自身、それを求めてないですし、挑戦することで新しいなにかが起きると考え、実践してるんです。実が伴ってこそ、です。


---藤岡さんが主演された初代仮面ライダーが収録されたDVDは、団塊ジュニア世代にも大好評らしいです。
当時はここまで影響を与えるとは想像しなかったけど、青春の1つの大きな出会いでしたね。ヒーローから愛と正義と勇気を感じとって、心の中に凝縮しながら演じました。仮面ライダー1号こと本郷猛が誕生したのは私が25歳の時だから、もう35年以上経つんだね。当時のファンが大人になり、再びスポットを当ててくれる。うれしくて、随分昔のことなのに血が騒ぎますよ。あの頃は撮影に追われて体力が消耗。自分との戦いの連続でした。でも今は、新しいライダーを企画してみたいんです。自分でも台本を書いているので、必ずやりますよ! 私の信条は、逃げない、負けない、屈しない、諦めない、ですから。私にエネルギーを与えてくれるのは、世界中の子供の笑顔。これからも世界中を回って、愛と正義と勇気のメッセージを伝えていきたいですね。




---不屈の精神を培った、養成所時代のお話も聞かせて下さい。
私は、どの養成所も卒業できなかったんです。俳優を志し高校を卒業して上京したのですが、まずは食べていくためにアルバイトをしなければならない。そうすると、出席できない日も多くなりますからね。今のように時間と曜日を自由に選べる、なんて仕事はありませんでしたし。しかも当時の働き口の多くは、肉体労働。地下鉄やオリンピック工事で汗水流して働いてました。だけど給料は、食べたらなくなってしまう程度。過酷でした。それでも、飢えはあったけど、未来に対してロマンを感じていた自分がいたんです。


---02年に二代目隊長に就任された、テレビ朝日系「藤岡弘、探検シリーズ」でも、容赦のない状況を体験されましたよね。
周囲のみんなに反対されましたが、自分が率先してやらないと気が済まない性格ですから。マラリアで死にかけた隊員もいました。昼は50度、夜は零下という国にも行きました。画面には映し出されていませんが、死ぬか生きるかの日々だったんです。サバイバルのプロである私がいなければ、本当に死者が出ていたかもしれません。


---藤岡さんご自身のモットーをぜひ、教えていただきたいです。
日々、出会う方々が“師”であるということ。出会いに偶然はありません。意味があり、必然なんですよ。


---とすると、今ここに取材で集まっている全員の出会いも…。
世界数十ヶ国を旅し、ボランティア活動、文化交流、俳優業…を通してあらゆる人に会いました。意味のない出会いはありません。ただし、その出会いに刺激を受けて学び、糧とできるかは本人の器量によりますが。


---そのモットーは、ご両親からの教えなのでしょうか。
両親というより、愛媛県の環境に育まれたものです。愛媛では、人の道の教えとして当然のように皆が受け入れていました。私はそれが当たり前だと思って生きてきたんです。ですが、高校を卒業し、四国の田舎から上京してから初めて知ったんですよ、それが特別なことだったと。その後、世界を旅するようになり、改めてこの主義が通用することを体験しましたけどね。ボランティア活動に関わるようになったのも、四国遍路のお接待という社会風土の中で育ってきたことに起因していますし。やはり環境や原風景は偉大ですね。


---ドカント読者の人生指南になるようなメッセージをお願いします!
“ピンチこそチャンス、不撓不屈の精神で逆境に向かえ、いつもポジティブにプラス思考で”など掛けたい言葉はいくらでもありますが、若い人たちに言いたいのは、すべては自己責任ということ。他人のせいにして、保身や自己陶酔に惑わされないでほしい。最強の敵は己。『天下を治めようとするならば、まず己を治めよ』という言葉もあります。自分がどこに進みたいのか。それを知るためには自分と向き合ってみることです。これなら簡単で、誰にでもできますよね。若い時は、経験が足りないのが普通。だからこそ自分で自分に責任を持ち、勇気を奮って経験という旅に出て下さい!
INFORMATION
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■DVD「仮面ライダー トリプルライダー1stエピソードコレクション」好評発売中。初代仮面ライダー1号として出演した藤岡さんは、「36年経ってもいまだに血が騒ぐ。当時のファンたちが大人になり、日本の中枢を担っている。その人たちが、再びスポットを当ててくれて、とてもうれしい。今後も世界中を飛び回って、愛と正義と勇気のメッセージを伝えていきたい」とコメント。

■日本テレビ系「おもいッきりイイ!!テレビ」(月〜金曜日午前11時55分)の企画コーナー≪食材バカ一代≫毎週月曜日に出演中。様々な食材にこだわり情熱をかける人たちをあえて、“食材バカ”と呼び、生産から消費までを追うドキュメンタリー。 自らも体に良い食材にこだわる藤岡さんが、その魅力を伝える迫真のリポートに注目!


PROFILE
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藤岡弘、(ふじおか・ひろし)
藤岡弘、

愛媛県久万高原町出身
5年、松竹映画ニューフェイスでデビュー後、青春路線で活躍。今年で芸能生活42年を数える。俳優座養成所などを経て、71年に主演した「仮面ライダー」の本郷猛役でアクション俳優としてブレイク。ヒーローの地位を不動のものにした。主な出演作に映画「日本沈没」「野獣死すべし」「大空のサムライ」など、テレビドラマ「勝海舟」「白い牙」「特捜最前線」「あすか」などがあり、テレビ朝日「藤岡弘、探検シリーズ」は有名だ。映画「SFソードキル」で主演を演じ、国際俳優として米国スクリーンアクターズギルドのメンバーに。ハリウッド関係者との親交も深い。CMでは、セガサターン、オートレースで2年連続CM大賞を受賞。05年には芸能生活40周年記念プロジェクトとしてCD「愛こそすべて合掌、」もリリースした。武道家としても知られ、柔道、空手、居合道、抜刀道など合わせて二十数段の実力。民間ボランティア団体の理事も務め、世界数十カ国の紛争地域、難民キャンプにて救援活動を展開している。著書に「愛と勇気と夢を持て!」「実践・五輪書 武道を通じて学んだ宮本武蔵」「熱血・藤岡弘、の人生に喝!」などがある。

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