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野村宏伸 野村宏伸

84年公開の映画「メイン・テーマ」のオーディションで2万人超の中から選ばれデビュー。その後も役者としての活動に重点を置き、本格派俳優としての地位を確立した、野村宏伸さん。最新出演映画「ポチの告白」では、重要な役どころを熱演。警察内部の犯罪を暴き立てたタブー作ともいわれる作品について秘話や見どころを聞いた。言葉を一言ずつ丁寧に選んで話す野村さんからの、人生アドバイスも必見!!

Interview/内埜さくら Photo/谷口達郎


---野村さん出演の映画「ポチの告白」が、3年の時を経て遂に上映決定ですね。
実は撮影の最中から、この作品は国内で公開できないんじゃないかと諦めていました。海外に持って行って話題になってから、逆輸入的な形で、日本で上映しないと無理なのでは…という問題作ですから。ただ、今は世の中の状況が激変していますから、作った時に上映するのは、タイミングが早かったかもしれません。今がちょうどいいのかな、と思いますね。


---本作の出演経緯を教えてください。
この作品のプロデューサーと友人なんです。彼から話を持ちかけられて、興味を持てる話だったのでぜひ参加したいと申し出ました。個人的な繋がりで映画出演っていうのは、初めてだったかもしれませんね。


---主演の菅田俊さん演じる竹田八生の後輩刑事に選ばれた理由は?
僕が参加した段階では、主演が菅田さんということだけ決まっていたんです。高橋監督とプロデューサーと3人で話し合って、実際に劇中のいろんな役柄を演じてみて、自分で決めました。


---野村さんが演じた山崎刑事は、か なり難しい役どころですよね。
気が付くと警察犯罪の主犯格に…含みのある理由で権力を持った上司の娘との縁談を断れなかったり…本来の自分を押し殺してでも生きていこうとする男ですからね。


---高橋玄監督は、リハーサルの手法がユニークだと聞きましたが。
本番に入る前も楽しめましたね。狭いスタジオに出演者が集まって、台本に縛られずフリーで演技もしました。まるで舞台稽古のようでしたよ。台本に書かれている台詞の前にも、登場人物は会話を交わしているだろうから、台詞にない部分をアドリブで演じたり。本番に入るまで、ここまでリハーサルを重ねる現場は、今までありませんでした。



---作品の見どころやPRをお願いします!
メッセージ作ではないので、逆に観た方の意見を聞けたら面白いですね。観終わった後に、いろいろ話せて考えさせられる映画だと思います。あと、最後の6分間で菅田さんがかなり際どい台詞をしゃべっているので、見逃さないでください。社会の中で男が必死に生き抜く話なので、男性が好きなテイストの作品かもしれませんね。


---そうですね。でも、女の私でも十分楽しめました。
それはよかった(笑)。上映時間は長いですけど、テンポよく展開していくから、あっという間に終わっちゃうんですよね。


---デビューが84年公開の映画ですから、野村さんは今年で役者生活25周年ですよね。
僕自身、25年も続けてこられたことに驚いています。オーディションに受かってこの世界に入りましたけど、俳優を熱望していたわけではないんですよ。


---というのは?
最初のオーディションに資料を送ったのは、妹なんですよ。それで運よく受かってしまったんです。役者になっていなければ、サラリーマンになっていたでしょうね。父親が自営業だったんですけど、倒産してしまって。その姿を見てきたから、安定した収入に憧れていたんです。当時は親父の姿を見て、反面教師的に『こうなっちゃ駄目だ』と思ったのが記憶に焼きついています。でも、親父が会社を倒産させた年齢と今の自分の年齢がほぼ同じになったんです。そう考えると、複雑な思いにはなりますね、やっぱり。




---役者生活を続けてこられた理由は何でしょう。
役者という職業には、答えがないからでしょうね。追求しようと思えば、いくらでもできますし。完璧もないけど、満足もない。だから今までやってこられたんだと思います。


---ご自身の20代はどう過ごされてきましたか。
駆け抜けた感じですね。仕事は忙しかったけど、寝る時間を削って遊んでました(笑)。体力もあったし、独身でしたし。


---では、30代は?
柔軟性が出てきて、舞台を含めいろんな仕事にチャレンジしました。仕事が楽しくなったのは、30代に入ってからですね。


---40代になったから、考え方は変わりましたか。
人生、ずっといいことばかりは続かないと実感しましたね。だから、苦しい時を逆に楽しもうと考えるようになりました。『これは自分に課された勉強なんだな』と。最近、生まれたことにも感謝するようになりました。子供が産まれたってこと大きいんでしょうけどね。


---野村さんは今の若者を見て、どう感じますか。
仕事が続かない人が多いと聞きます。特に男性。この世界も裏方さんは男性のほうがすぐ辞めてしまうみたいです。叱られた次の日から仕事に来なくなるらしくて。叱られ慣れていないせいでしょうけど。僕が若い頃は、叱ってくれる大人がいたんですけどね。映画の世界へ入った当初は、怒鳴られ、小突かれの繰り返しだったんです。


---そうなんですか…? では、夢を叶えるにはどうしたらいいですか。
人生に迷いはつきものですからね。やりたいことが簡単に見つかったら、それほど楽なことはないんじゃないですか? 仕事は楽しくてもお金が伴わないと生きるのが大変な今、夢を探し続けることが大切では? 僕もまだ探究している最中です。


---夢を探すためには?
とにかく何か1つ、楽しみを見つけることが大事だと思います。そのためには、我慢して働くのも1つの手。仕事って、突き詰めると楽しいことが見つかることもありますから、転職を繰り返すと見つかりづらくなるような気がするんですよね。あとは、1つでいいから目標を持つこと。女性がダイエットをするように、具体的に立てると、頑張れるのではないでしょうか。
INFORMATION
◆映画「ポチの告白」

ポチの告白
ポチの告白

STORY&INFO
昨今多発する日本の警察犯罪事件の実例をモデルに、良識ある巡査が警察の犯罪機構に巻き込まれながら悪徳に染まり、やがて自滅するまでを描いた社会的エンターテイメント大作。ジャーナリト寺澤有氏の資料と原案協力を得て、完成から3年、いよいよ解禁! 交番勤務の巡査・竹田八生(菅田俊)はタケハチと呼ばれ、市民と上司に信頼される実直な警察官だった。しかし刑事課長の三枝(出光元)に認められ、刑事に昇進したタケハチは実直故に三枝の不透明な命令にも盲目的に従い、後輩刑事・山崎(野村宏伸)と共に、やがて気がつかないうちに警察犯罪の主犯格になっていく…。

STAFF&CAST
監督/高橋玄 出演/菅田俊・野村宏伸・川本淳市・井上晴美・井田國彦・出光元ほか 製作/グランカフェ・ピクチャーズ 配給/アルゴ・ピクチャーズ 
公式HP
1月24日より新宿K's cinemaにてロードショー
(C)2008 GRAND CAFE PICTURES Corporation


PROFILE
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野村宏伸(のむら・ひろのぶ)

野村宏伸

1965年5月3日生まれ 東京都板橋区出身
84年、角川映画「メイン・テーマ」(森田芳光監督)のオーディションで23000人の中から主演の薬師丸ひろ子の相手役に選ばれ俳優デビュー。同作品で日本アカデミー賞新人賞を受賞。86年に「キャバレー」(角川春樹監督)で映画初主演、「恋人たちの時刻(とき)」(澤井信一郎監督)でも主演を務めた。87年にフジテレビ「ラジオびんびん物語」でテレビドラマ初出演も果たす。田原俊彦とは名コンビとなり「教師びんびん物語」「SPびんびん物語」とシリーズ化された。その後は映画、ドラマ、舞台など役者としての演技活動を主に、本格的俳優としての地位を確立。他の出演作に映画「天と地と」「学校の怪談」「学校の怪談2」「F」「ジューンブライド 6月19日の花嫁」「花と蛇」、ドラマ「凛々と」「炎立つ」「ニュースの女」などがある。
公式HP


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