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宍戸 錠 宍戸 錠

日活第1期ニュー・フェイスとしてデビュー後、タフでワイルドな役柄で大人気に。今年、芸能生活55周年を迎える今もその魅力は変わらない“エースのジョー”こと宍戸錠さんが本誌初登場! 宍戸さんが出演した、5月9日から公開の映画「THE CODE/暗号」について、目からウロコの話や見どころについて語ってもらった。大不況を乗り切る心構えについても教えてくれ、タメになることが満載!!

Interview/内埜さくら Photo/大駅寿一


---探偵事務所の会長役で出演された映画「THE CODE/暗号」が公開ですね。このシリーズファンには宍戸さんの役はお馴染みで、楽しみにしていると思います。
林海象監督とは、以前に永瀬正敏クンが主演した『私立探偵濱マイク』で一緒に仕事をしていて、その作品で俺は、探偵術を教える役を演じているからね。それが上手くいったってことかな。監督に生まれて初めて、『宍戸錠って役を作ったから、演じて下さい』と言われたんだよ。どうやって演技の計算をしたらいいのか分からない部分もあったけどね。


---では、宍戸錠の役作りはどのように。
うん、まぁ、俺が出ていればいいのかな、と(笑)。


---本作は、かなり豪華に作られている感じがしました。
この映画に関して林監督は、かなり重厚な感じで作っているからね。撮影現場を見せたいぐらいだよ。上海と日本でロケをしたんだけど、日本で撮影しているシーンも『ここはどこなんだろう!?』と思うぐらいスゴイ仕上がりだよね。


---ビシッと決まっている宍戸さんのスーツ姿も素敵でした!
前の『濱マイク』はとっぽい格好をした探偵だったから、今回はおとなしめのビジュアルにしようと思っていたんだけど…逆に目立っちゃったかな(苦笑)。


---椎名役の松方弘樹さんとのセリフの掛け合い、面白いですよね。
実際は俺のほうが年上だけど、役柄上、俺が(松方)弘樹ちゃんに敬語を使うっていうね。弘樹ちゃんには、『80歳ぐらいのジジイ役ができるかい?』と聞いたんだよ。彼のあの格好、俺はいいなと思ったよ。あと、この映画に関しては、あながちフィクションではないっていう部分にも注目してもらいたいんだよね。もちろん、これとまったく同じ話ではないけれど、原作に近い話が、終戦の1945年近くに起こっているんだよね。日本が戦争に負けた時…玉音放送を聴いたのは、俺が小学校6年生の頃だったなぁ。


---フィクションではない、というのは!?
20世紀は戦いの歴史でしょう。41年の真珠湾攻撃の後、大東亜戦争に発展して。当時、上海特務機関という優秀な日本の情報機関があって、そのメンバーの1人が中国の秘宝のありかを知っていたとしたら…っていう話よ。ここから先の話はあくまでも仮定だけど、背中に暗号を刻まれたのが稲森いずみちゃんの役で、彫ったのが松方弘樹の役。弘樹が演じた椎名が、秘宝を探しに行くのと娘恋しさの目的で上海に渡ったら…っていうね。だからこの映画って、歴史を知っているとだいたい、分かる内容なんだよね。


---なるほど! では、本作の見どころを教えて下さい。
今の若い映画作家って冒険心を持たないヤツが多くて、心に迫って、心を打つ作品を創れない場合が多々あるんだよね。でも、この作品は大活劇の面白さを思い切って描いていると思う。『ゴッドファーザー』まではいかないけど、人間が想像しうるドンパチがある活劇の世界をね。スポーツをする感覚とはまた違うけど、そういった奔放さとか自由さを、映画を観たら満喫できるし。こういった昔の大娯楽活劇的な世界を味わうと、考え方が変わるよ。




---デビュー当時のお話も聞かせて下さい。日活ニューフェイス出身ですよね。
1期生はもう、俺の他には誰もいないけどね。5期に高橋英樹クンや中尾彬クンがいるから、あのぐらいがちょうどいい時期だったのかな。高橋クンはハンサムな上にしっかりしていて、50年以上もスターでい続けているしね。


---当時は、映画出演するのが俳優の仕事で、テレビには出なかったというのは本当ですか?
そうじゃないんだよね。当時は5社協定っていうのがあって、テレビ局が使えるのは日活の俳優しかいなかったの。それが幸いして、テレビ番組が始まった当初から俺は出られたけど。最初は、テレビの生放送にはビクついたよね、みんな。カメラが1個しかないのにドラマはできねーだろーって話になって、隣りのスタジオからカメラを借りてきたこともあったし。


---昔は、芸能人のスキャンダルも今ほど騒がれなかったとか…!?
というかね、当時は騒がれないようにしてたんだよ。“石原裕次郎係”とか、“宍戸錠係”っていって、新聞や雑誌社の記者の中に専属担当がいて、俺ら芸能人といつも行動を共にしていたんだよね。で、こっちが困るようなことを書こうとしたら、『お前もやってるだろ! お前が書くなら俺も書くぞ!!』と言い含めていたワケ(笑)。それが通用したのは、昭和37年ぐらいまでだけど。


---宍戸さんは今年、芸能生活55年目ですよね。芸能界という険しい世界で長生きする秘訣は?
俳優も歌手も、派遣社員と一緒だからね。一時代を築いたからといって、売れなくなって惨めに死ぬことだってあるわけだし。一生、雇用制に属するか、雇われない生き方をするか、職業選択の自由はあるけど、どっちも不自由。長生きする秘訣を強いて挙げるなら、根性が曲がっていること(笑)。曲がっていれば、許せることか否かが瞬時に判断できるからさ。





---最近の若者を見て、どう感じられますか。
今は夢追い人がいなくなっちゃったよね。テレビで面白いって言われている人も、ある種パターン化しちゃっているし。別に、一発当てようとかオーバーな目標を気負う必要はないんだけどね。俺が言いたいのは、『コンスタントに首位打者にはならなくていい。その代わり必ず、レギュラーか最低でもベンチ入りはしていろよ!』っていうこと。そうすればいつかチャンスは巡ってくるから。俺なんかずーっと、ベンチを温める世界にいるけどね(笑)。


---宍戸さんが温め係のワケないじゃないですか! 他にも何か、若者に対して思いますか。
そうだな、どーのこーの言わないで働け! って。何かに“なる”ためにはまず、親父やお袋に金をもらっているようじゃダメなんだよ。食っていくことって楽じゃないからね。まずは1日3食、食べて行くことを考える。いつかは結婚して子供を持って、面倒を見ることになるんだから。それにはどうするのが一番いい方法なのかを考えないと。だから、経済的にも精神的にも限界にぶち当たるまでやれ、と。もし夢を持っているなら、最初に『なりたい!』と思ったら迷わず突き進むのが一番! 優柔不断が一番、よくないね。


---でも世の中、不景気ですよね。生活することすら大変な人もいて、夢を追えない人もいますが…。
俺らだって大変だよ、それは。テレビのスポンサーが少なくなってきているって話は、聞いたことがあるでしょう? それに、石原裕次郎や小林旭、俺が若かった頃って、全国に映画館が7400館ぐらいあったの。今は1900館程度に減っちゃった上に小さな映画館ばっかりだから、動員数を増やすのに四苦八苦している現状があるし。映画は制作と配給以外に、興行成績がよくないと次が作れないから。それと、今は100年に一度の大不況といわれているけど、100年前なんてみんな、知らないでしょう(笑)。俺が生きてきた中で一番ひどい不況だと感じたのは、1923年が終わった頃だったけどね。だから100年じゃなくて約90年だし、景気は10年ごとに繰り返すといわれているからさぁ。諸外国の実情を知ったら、日本にいたらまだ頑張れると思うけどなあ。
INFORMATION
映画「THE CODE/暗号」
映画「THE CODE/暗号」

映画「THE CODE/暗号」

創立60年の格式ある探偵事務所「探偵事務所5」。優秀かつ個性的な探偵たちが集まる中でも“探偵507”(尾上菊之助)は暗号解読において天才的な才能を持っている。そんな彼が中国のとある人物から依頼を受けたのは、これまで見たこともない配列パターンで構成された暗号だった−。ウェブ上で100万人が視聴した人気シリーズ「探偵事務所5」史上、最大規模の劇場版最新作の舞台は上海! 息もつかせないストーリーをさらに深みのある物語へと昇華した一級のエンタテインメント大作が誕生!!
出演/尾上菊之助  稲森いずみ 佐野史郎松岡俊介 斎藤洋介 柏原収史 宮迫博之 坂井真紀 成宮寛貴 貫地谷しほり 宍戸錠松方弘樹ほか 監督/林海象 脚本/林海象・徳永宣彦・久万真路 製作/THE CODEプロジェクト 配給/日活
5月9日から丸の内TOEI2ほか全国ロードショー公開中
公式HP
(C) 2008 THE CODE プロジェクト.All Rights Reserved.

PROFILE
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宍戸 錠(ししど・じょう)
宍戸 錠

1933年12月6日生まれ 大阪府大阪市出身
54年に日活第1期ニューフェースに合格し、日大芸術学部を中退。55年「警察日記」で銀幕デビューする。平凡な二枚目だったため、57年に自ら頬を膨らませる手術を受ける。ふてぶてしい顔つきになり、石原裕次郎や小林旭、赤木圭一郎の作品で敵役として活躍。多くの作品に出演した。“エースのジョー”の愛称で売れっ子になり、59年公開の「ギターを持った渡り鳥」を始めとする“渡り鳥シリーズ”などで日活アクション全盛期を支え、61年の初主演作「ろくでなし稼業」などのヒット作を生む。「殺しの烙印」「野獣の青春」など主演映画は56本。出演作は「溺れる魚」「私立探偵濱マイクシリーズ3部作」など300本を超える。テレビにも進出し、ドラマやバラエティでも人気に。主な出演作品にドラマ「武田信玄」「秀吉」、バラエティ「元祖!どっきりカメラ」「巨泉・前武のゲバゲバ90分!!」「くいしん坊!万歳」などがある。01年「エースのジョーのイメージを一新するため」トレードマークにしてきた頬の異物摘出手術を行ったのはまだ記憶に新しい。09年、日本テレビ系「キイナ〜不可能犯罪捜査官」ほか、バラエティ番組などに出演。現在、NHK大河ドラマ「天地人」(日曜午後8時)に直江影綱役で出演中。
公式HP


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