滝沢秀一(マシンガンズ) お笑い芸人とゴミ清掃員としても働く著者の日常を綴ったツイートが書籍化!!

 「テンガをペットボトルで捨てるな!これは可燃ゴミだ!(6年間で3度ほどあった)」「濡れた畳の重さを皆にも味わってほしい」など、ゴミ清掃員の日常を綴ったツイートが話題を呼んだ滝沢秀一(マシンガンズ)さん。芸人とゴミ清掃員の二足のわらじを履いて6年になり、18年にはゴミにまつわる著書も出版した。笑えるだけでなく勉強にもなり、ゴミへの意識が大きく変わるインタビューをお届けする!

『ペットボトルのゴミの中にTENGAが混じってる理由を考察』

お金のない人たちのゴミには酒やタバコ、握手券付きCDが目立つ?

──ゴミ清掃の仕事を始めた36歳の頃は、本業はどんな状況でしたか。
「仕事が減っていたのに、現実を見ないようにしていました。そんな時期に妻が妊娠し、バイトを探し始めたんですが、35歳を超えているとカラオケも居酒屋も工場もダメで。『オーディションが入ったら休ませてほしい』と伝えると、やっぱり落とされましたね」

──そんな中で見つけたゴミ清掃の仕事は、やはり大変でしたか?
「体力的なキツさはありましたが、仕事ができる喜びの方がデカかったです。働かず、明日の見通しが立たない時期のほうが全然辛いんですよ。あと清掃車のニオイも、30分くらいで慣れちゃうんですよ。でもほかの清掃車とすれ違うと『クセぇな!』と思って(笑)友だちの家のニオイが気になるのと同じですよね」

──そういうゴミ関連のツイートをしていたら、有吉弘行さんがリツイートしてくれて、人気に火が付いたんですよね。
「反応してくれた後は有吉さんを笑わせるつもりで書いていましたね。『お前の気持ちの話より、ゴミについての詳しい話のほうが面白い』といった助言をくれたこともありました」

──滝沢さんの著書を読むと、実際にはゴミ清掃の仕事はネタの宝庫だと思いました。ペットボトルのゴミの中にTENGAが混じっているとか…。
「何でだよ!と思うんですけど『そういえば形が近いよな』とか、捨てる側の立場で考え始めると面白いんですよね。ときどき水筒も混じっているんですが、『飲み物つながり?』とか。小説を書くのも好きなので、人の気持ちを想像するのが楽しいんです」

──お金持ちでない人が多い地域のゴミにはタバコや酒、栄養ドリンクが多い、という話は身につまされました。
「小さな依存を繰り返し、結果的にそれが大きな消費につながっているんでしょうね。大量の空き缶などが一度に捨てられがちなのも、ゴミを捨てる時間的・精神的な余裕がないからなのかな、と。一方でお金持ちの地域のゴミでは、テニスボールがよく入っているんですが、まさに余裕の象徴ですよね。あとはワンダーコアのような健康器具とか、自己投資のゴミが出てきます。逆にそうではない地域からは、〝他人への投資〞である握手券付きのCDがよく出てきます」

──話を聞いていると、自分の生活を見直したくなります……。あと日本が世界一ゴミを出している国だという話も、滝沢さんの本を読むまで知りませんでした。
「2位のフランスと比べても倍近い量を出しているんですよね。実際ゴミを見てもまだ使えるものや、安く買って使っていないものが大量にあります。食品ロスも本当にヒドくて、輸入した食べ物を捨てるのが普通の社会というのは、やっぱりおかしいですよ。もう消費社会は終わりにして、シェアやリース中心の時代にしていくべきだと思いますし、みんなが意識を変えて、使えるゴミの日とかも作っていけたらいいですよね」

──以前、「ゴミをテーマに講演もしたい」と仰ってましたが、話を伺っていると凄く面白い講演ができそうだと感じました。
「調べていくと、本当にヤバい状態だと分かってきたんですよね。講演だったり、子ども向けの絵本だったりで伝える活動をしていきたいですね」

──現在のお仕事はゴミ関連のものが中心ですか。
「そうですね。芸人としては月1回、事務所ライブで新ネタを披露しているくらいです。相方も今は俳優の仕事のほうが楽しいみたいで、マシンガンズにはお笑いをやる人はいなくなるかもしれません(笑)これからはお互い好きなことをやりつつ、俺はゴミの話をドラマ化や映画化して、そこに俳優として名前上げた西堀に出てもらって合流する……みたいになれたら理想かなと思っています」

──最後にドカント読者に、仕事をしつつ夢を追うための助言をください!
「まず、好きな仕事に100%就けるコツがあって。それは、今やっている仕事を好きになること。やりたくない仕事を続けるほど時間のムダはないと思うんですよ。飲食店の仕事でも力仕事でも、極めようとすれば楽しくなるし、ほかに夢見る仕事がある場合もその役に立つはずです。ゴミ清掃でも、仕事中に走って体を鍛えているボクサーの人もいますから。俺もゴミ清掃の仕事は自分の夢ではなかったですが、本まで出せたのは、真剣に仕事を続けたご褒美なのかなと思っています」(2019.1.16)

INFORMATION
『このゴミは収集できませんゴミ清掃員が見たあり得ない光景』

滝沢秀一・著 白夜書房から発売中

ゴミ清掃員としても働くお笑いコンビ・マシンガンズ滝沢秀一さんの人気ツイートが、イラストや書き下ろしのエッセイを大幅に加えて書籍化!笑える話も多い一方で、ゴミから見る格差社会やゴミ清掃員おすすめの物件など、勉強になる話やゴミに対する意識が変わる話も満載。


PROFILE
滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年、東京都生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ・マシンガンズを結成。「THE MANZAI」2012、14年認定漫才師。2012年、定収入を得るために、お笑い芸人の仕事を続けながらもゴミ収集会社に就職。ゴミ収集中の体験や気づきを発信したツイッターが人気を集め、話題を呼んでいる

公式Twitter

取材・文/古澤誠一郎 撮影/熊代紀章