フリーター虎次郎がDVDボックス(個室ビデオ)の日払いバイトをレポート!前編

■いきなりだが、オレは今、とある“個室”の中にいる。

そこはどこかだって?
ここは都内の繁華街にある、某“DVDボックス”チェーンの店舗だ。

DVDボックスとは、“個室ビデオ”“DVD鑑賞店”といった名称でも呼ばれ、主に男性客がアダルトDVDを鑑賞するために訪れるお店だ。
法的には、店舗型性風俗関連特殊営業のため、風営法の規制を受ける。

えっ?呑気にAV見てるなんて良いご身分だなって?
い~や、それは違う。
オレはこの店で2日前から働いているのだ。

それに至る顛末はこうだ。
オレは先週まで、“倉庫内作業”のバイトをしていたのだが、仕事内容があまりに退屈であったため速攻で挫折した。

その後はまた、実家でゴロゴロと怠惰な日々を過ごす“ニート生活”に逆戻り。
そんなある日の昼下がり、オレはいつものように部屋の中にこもり、ノートパソコンでアダルト無料動画を閲覧しながら暇を潰していた。

■やっぱり、○○○(←お気に入りのAV女優の名)は凄いな…。

おお!“オキニ”のAV女優の新作を見つけ早速再生する。
余分な所はすっ飛ばしイイ感じの所まで早送り、勢いよくパンツを脱ぎ捨てた。
さあ来い、○○○!いつでも準備はOKだぞ!!

するとその時、背後に物の怪(もののけ)を感じた。

驚いて振り返ると、部屋のドアを開けたままの姿勢で固まっている母親が呆然と立っていた。

「あああ、なんだよ!勝手に入って来るんじゃねーよ!!」

こうなったら中学生並の逆ギレしかない。
勢いよく投げ捨ててしまったパンツを拾い上げ、ヨタヨタと履きながら悪態をつく。

これは手痛いミスを犯してしまった。
普段ならイヤフォンも着けずに、周りの音や気配にまで気を回していたのだが…不覚!

「・・・」
母は無言のままだ。
無言のまま、パソコンのモニターで繰り広げられている男女の痴態を見つめている。

タイミングの悪いことに○○○は一度目の絶頂を迎えつつある。
オレはパンツを履くことを優先するか、このと化した男女のまぐわい動画を停止させることを優先するか、一瞬で考えた。
考えたのだが、エロ動画の流れるモニターと固まっている母親の顔色を交互に見つめ右往左往している半ケツの自分に嫌気が差した。

もういい!
男子たる者、誰もが一度や二度は通る道ではないか!
いちいち動揺なんてするな!

オレは、半ケツのまま堂々とパソコンの電源コードを抜いた。
チマチマと動画の停止ボタンなど押してなどいられない。
そして悠然とパンツを上げた。

ここまで無言だった母は、やっと自分を取り戻したかのように大きなため息をついた。

「昼間っから仕事もせずに何をしてるかと思ったら…」
「うっせーな、覗いてんじゃねーよ!」
「覗いてなんかいないわよ!」
自分でも呆れるほどの不毛な論争である。

オレは居ても立ってもいられなくなり、スマホと財布を掴んで一目散に部屋から逃げ出した。

■高収入求人サイトで仕事を探していたら…!

こりゃ当分、家には帰れねーな…。
そう思いながらオレはマックで頭を抱えていた。
まずは当面の“ヤサ”を確保しなければならない。

オレは友人であり、日雇いバイトの“師匠”でもあるヤスオに、救護を要請した。
「お前バカだね~」程なくヤスオから返信が届き、アパートで匿ってくれることになった。
しかも「どうせ金もねぇんだろ」と、当座の生活費も貸してくれるという。
なんていい奴なんだ、ヤスオ師匠!

しかし、甘えてばかりもいられない。
ヤスオは今晩11時まで資材搬入のバイトをしているので、その後に落ち合うことに決まった。
オレはそれまでに何とか仕事を探そうと思い立った。
またヤスオに仕事を紹介して貰ってもいいのだが…。 せめて今回こそは、ヤスオの厚意に“やる気”で応えようと思ったのだ。

オレはスマホで“男性向け高収入求人サイト”のチェックを始めた。
手っ取り早く稼げる仕事を探すならコレだろう。

メールオペレーター、風俗店スタッフ、キャバクラスタッフ、ドライバー…。
様々な求人が表示され、それをスクロールしていると、ある職種がオレの目に留まった。

『DVDボックス店・スタッフ募集』


ああ、個室ビデオか…。アダルトDVDを個室で見るアレね…。
そう思った瞬間、オレがこの日、AVを見ていたのをきっかけに家を飛び出した顛末がフラッシュバックした。

オレもDVDボックスの個室にでも行ってりゃ良かったよ…。
ため息をつきながら、DVDボックス店のスタッフ求人募集ページを開いた。

するとそこには、今のオレには魅力的な条件が並んでいた。
給料の“日払い”制度あり。
即入居可能な個室の“寮完備”
給料の方は、アルバイトの時給は1,050円スタートだが、残業手当深夜手当がついて、週休1日で頑張れば、日中勤務メインでも月給23万円~26万円程になる。
また深夜勤務メインだと月給28万円~30万円といった金額も可能なようだ。
しかも正社員ともなると、月給30万円スタートだという。

よしっ、コレだ!
オレはさっそく応募のフリーダイヤルに電話して、翌日の面接アポを取った。

■15分程度の簡単な面接で…結果は?

とある繁華街にあるDVDボックスの店舗で面接を行った。
担当者は40代と思われる優しそうな中年男性である。

「最初は主に店内の清掃業務を担当してもらいます」
などと簡単な業務説明を受け、持参した履歴書をもとに何点か質問をされた。

「今までどんなアルバイトをしてましたか?」
「いつから勤務が可能ですか?」
「週に何日、何時間の勤務ができますか?」

といったどこのバイトの面接でも必ず聞かれる質問に返答していくと…。

「それではトラさん、では明日から勤務できますか?」
「あ、はい…」
「では明日、運転免許証など身分証明書と印鑑を持って来て下さい」

面接所要時間15分程。
なんとその場で採用が決まった。“即日採用”ありがたや。

DVDボックス店の仕事とはどんなものなのだろうか?
後編へ続く


[ライター]フリーター虎次郎

気ままなバイト生活を送る、とある男の物語。
オレの名前は、トラジロウ。
といっても「男はつらいよ」の“寅次郎”ではなく、一字違いの“虎次郎”。この名は「男はつらいよ」の熱狂的なファンだった父と、大阪生まれで「阪神タイガース」をこよなく愛する“虎党”の母によって命名された。
そんな有難い名前を頂いたオレは、すくすくと“虎党のフーテン”に成長する。
ただし“寅さん”の時代のように、境内でバナナの叩き売り、なんてシノギがある訳なく、そこは現代流、求人サイトを時たま覗く気ままなフリーター稼業。
そんな“寅”ならぬ“虎”の仕事日記。よろしくおたのみ申します。

[ライター]フリーター虎次郎

気ままなバイト生活を送る、とある男の物語。
オレの名前は、トラジロウ。
といっても「男はつらいよ」の“寅次郎”ではなく、一字違いの“虎次郎”。この名は「男はつらいよ」の熱狂的なファンだった父と、大阪生まれで「阪神タイガース」をこよなく愛する“虎党”の母によって命名された。
そんな有難い名前を頂いたオレは、すくすくと“虎党のフーテン”に成長する。
ただし“寅さん”の時代のように、境内でバナナの叩き売り、なんてシノギがある訳なく、そこは現代流、求人サイトを時たま覗く気ままなフリーター稼業。
そんな“寅”ならぬ“虎”の仕事日記。よろしくおたのみ申します。