
---まず、音楽祭のオピニオンリーダーに就任した経緯を教えてください。
2年前に母校、明治大学の軽音楽部のOB会長になったんです。で、OB会開催をきっかけに、当時の仲間とバンドを再結成する話が持ち上がったんですよね。でも、最初はみんな『40年間も楽器を触ってないし…』とたじろぎましたよ。楽器を捨ててしまった人もいたし。
だけど、僕が楽器とスタジオを用意して無理矢理練習を始めたんです。そうしたらバンドが生き甲斐というメンバーが出てきちゃった(笑)。こういうOBバンドがいくつもあるの。それで『何か目標を作ろうか』と話していた時に、今回のお話をいただいたんです。
---渡りに船だったんですね。
発表の場をセッティングしてもらえたわけですしね。僕はプロだから出られませんが、みんなに出場を勧めましたよ。
---出場権のあるミドル世代≠ナすが、年齢制限が曖昧な気がします…。
僕個人の意見では、30歳以上が対象かな。社会人になって約10年。世間の荒波に揉まれながら家庭を持ち、限られたお金と時間の使い方を覚え始めた年齢ですよ。それ以上なら何歳でもOKだと思います。
何十年も会社に勤めて、働くことに心血を注いできた人が『自分が好きなことって何だったんだろう』とふと気づいてバンドを再始動するのも大歓迎。そういった人々に向けた、チャンスの入り口となれば何よりです。
---あえて若者に門戸を開かないという企画がユニークですよね。
だって、若い人向けの登竜門は無数にあるでしょう? 音楽業界が手ぐすね引いて待ってますからね(笑)。この音楽祭では“昔とった杵柄”で、昔やっていた音楽に、再度情熱を注いでいる人たちに出てもらいたいんです。
---ある意味、若者が出場するよりも“力の抜けた”セッションが期待できそうですが。
いや、逆ですよ。彼らは何百回も練習してくるんですよ。たった1度出るためだけに。しかも、人前で演奏するのは非日常。力はガチガチに入るでしょうね(笑)。プロとして、今まで何千回もライブ経験のある僕でさえ、開演前のブザーが鳴ると緊張する時がありますから。僕は力の抜き方を知ってますけど。
---優勝賞金100万円ですしね。
グランプリはあるけれど、それは結果としてついてくるものだと思うんです。僕はこの音楽祭をモータースポーツに例えるなら、ラリーだと考えていて。ラリーは『集う』という意味。レースという“競争”じゃなくて、ラリーにしようよっていう。まぁ、100万円っていうご褒美目当てに応募してくる人もいるでしょうけど…。お祭り気分で楽しんでもらいたいです。
---優勝は気にするな、と。
そんなことを断言したら、関係者に怒られちゃいそうですけど(笑)。でも、イキイキと演奏してるバンドにグランプリを受賞してもらいたいですね。
---ジャンルを問わず出場できますから、審査基準も正直、難しいところなのでは?
ハワイアンとロックを、どう比較するの? って話ですよ。上手さだけを競っても意味がないですよね。アマチュア音楽祭ですし。ただひとつ言えるのは、手慣れた人を見ても面白くはないだろうな…ってことです。
---となると、音楽祭の見どころはどこでしょうか?
演奏する人や審査員、観客もすべて『音楽ってこんなに楽しいんだ!』と実感を持てるような日になるはずです。それに、アマチュアのみなさんって初々しいですよね。何度となく稽古しても、本番では指が震えてたりして。それって、アマチュアならではの新鮮さ。体内に温存してきたトキメキを放出している証拠でもあるんです。だからこそ、人間は何歳になってもワクワク、ドキドキできるものなんだと、見れば分かります。証明したいですね。
---出場者の中には、小誌の親世代も参加する可能性が…!?
親が出るなら見直せるチャンスですよ。『おっ、やるな〜』って。そんな特例も出てくることを願いつつ、若い人にもぜひ、観客として参加してもらえたらうれしいです。
---若い人はおじさんパワー≠ノ圧倒されてしまいそうですね。
特に団塊の世代の人たちは、ものすごい競争社会の中で生き抜いてきた。ということは、家庭や趣味を顧みず、仕事に打ち込んできたかも知れないでしょう。それが今度は、昔を思い出して音楽に心身を傾けるんですから。パワフルになりますよ。

---そこまで没頭できることがない、という若者にとっては、羨ましい話かも…。
没頭するほど好きっていうのは、寝食を忘れるということ。つまり、それをしていたら気づけば朝だった…ってことが何かを探せばいいんです。
---気づけば朝だった…が、メイド喫茶へ行くことだとしても?
OKでしょう。メイド喫茶へ行くために、毎日一生懸命バイトすればいいんです。続けていれば将来、オーナーになっている可能性だってあるんですから。『これは仕事、これは遊び』と分けず、趣味を仕事にしようぜっていう。ただし、プロとしてやっていけるかとなると、大きな壁がありますけど。『若気の至り』という言葉があるように、若いうちは好き勝手やればいいんですよ、ホント。
---好き勝手、ですか?
僕なんてデビューした頃は相当、血気盛んでしたよ。大物演歌歌手に対して『相手が挨拶してくるまで絶対にしない』と気炎を揚げてましたから(笑)。
---宇崎さんならではですね。
今の若者も、挨拶する子は少ないですよね。僕の後輩もそう。僕が稽古場へ顔を出しても挨拶ナシだけど、ビンテージのテレキャスターには驚くんですよ。彼らにとっては、僕が“ブランド”になっていない、ということでしょうけど(笑)。それでいいんです。だけど、そこから数十年経た時に、答えは必ず出る。やることをやらなければ、必ず現実に打ちのめされるってことは覚えておいてほしい。
---実感のこもったメッセージをありがとうございます! では最後に音楽祭のPRを。
今って、団塊の世代が引退するスタートの時期ですよね。だから、この音楽祭はタイムリーな企画なんです。今年で終わりっていう“冷やかし”じゃ意味がないんですよ。10〜20年以上は続いてほしいと考えています。
『ドカント』の読者がミドル世代になり、楽々と応募資格を得るぐらいまで。参加者の年齢が高いから、音楽が取り持つ同窓会のような形になるけど、若い人には『こんなに頑張ってる上の世代の人たちもいるんだ』という空気を存分に吸ってもらいたいですね。
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INFORMATION
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「TOYOPET MUSIC SESSION
全国ナイスミドル音楽祭」
ミドル世代アマチュアミュージシャンのための音楽コンテストが開催される。8月19日の仙台を皮切りに全国8ヶ所で予選を行い、10月21日には東京・有楽町のよみうりホールで決勝大会が行われる。優勝バンドには賞金100万円と一流レコーディングスタジオでの収録、プロモーションビデオ撮影が約束されており、大会の模様はCS放送でオンエア。
【東北】
8月19日(日) 仙台・Zepp Sendai
【関西】
8月25日(土) 大阪・ABCホール
【北海道】
8月26日(日) 札幌・STVホール
【四国】
8月26日(日) 香川・香川県県民ホール アクトホール
【九州】
9月2日(日) 福岡・ビートステーション
【中国】
9月15日(土) 広島・南区民文化センター
【関東】
9月15日(土) 東京・渋谷DUO MUSIC EXCHANGE
中部】
9月23日(日) 名古屋・ボトムライン
【決勝】
10月21日(日) 東京・よみうりホール
主催/ニッポン放送・MUSIC ON! TV 協賛/全国トヨペット店・トヨタ自動車
協力/ヤマハ
応募締め切りは07年7月13日(金)必着!!
その他、詳細については公式HPでチェック!
■7月21日に青森・八戸で行われる「南郷サマージャズフェスティバル2007」(カッコーの森エコーランド野外ステージ)に出演。
■音楽も担当したWOWOWドラマ「イブからの贈り物」(8月放送予定)、11月3日全国東映系でロードショー公開の映画「オリヲン座からの招待状」(三枝健起監督)に出演。
■プロデュースを手掛けている岩城滉一アルバム「身も心も」も今秋リリース予定。
宇崎竜童オフィシャルサイト
PROFILE
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宇崎竜童(うざき・りゅうどう)
1946年2月23日生まれ
京都府京都市出身
73年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成しデビュー。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」「スモーキング・ブギ」など数々のヒット曲を生み出し、作曲家としても活動を続け、76年には内藤やす子の「想い出ぼろぼろ」で日本レコード大賞作曲賞を受賞。映画音楽では「駅-STATION」(81年)「社葬」(89年)などで日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。役者としても「駅-STATION」、「ミスター・ミセス・ミス・
ロンリー」で助演男優賞を受賞。84年、竜童組を結成。93年には、井上堯之氏とバンドを結成し、99年に解散。02年には30周年アルバム「SMOKE&BOURBON」「SAD&BLUE」の2枚続けてリリースするとともに、30周年記念コンサートを実施。同年、伝統芸能・文楽との競演「ロック曽根崎心中」を編成・構成等から新しく、さらに芸術性を高め、約20年ぶりに東京で公演。05年には同公演を東京(国立劇場)にて公演し、好評を博す。また、
蜷川幸雄演出「天保十二年のシェイクスピア」の音楽を担当し、05年ミュージカル・ベストテンの特別賞を受賞。さらに06年には「ロック曽根崎心中」「天保十二年のシェイクスピア」の音楽で、第13回読売演劇大賞の優秀スタッフ賞を受賞。
現在は、ライブ活動の他、アーティストへの楽曲提供やプロデュース、映画、舞台音楽の制作や俳優としてドラマ・映画への出演など幅広く活動中だ。
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