仕事情報誌ドカント

IZAM IZAM
00年の活動休止以来、6年振りにSHAZNAを再結成したIZAMが、絶賛を集めたミュージカル「ボーイ・フロム・オズ」に出演する。アーティストとしての新たな顔を開花させ、多方面で才能を発揮。
「芸能の仕事は天職に近い、神様が与えてくれたものかも」と言い切る顔は実に幸せそうだった。その原動力は何だろう?再び始まる怒濤の快進撃、その序曲を奏でているものは何だ?

INTERVIEW /立花みこと PHOTO/谷口達郎

---10月28日からミュージカル「ボーイ・フロム・オズ」が始まりますが、見どころを教えて頂けますか?
ミュージカルが好きでよく観るんですけど、すごくエンターテイメント性、クオリティーが高い作品。曲が始まってお客さんがそれを聞いて『いい歌だな』『聞いたことがあるな』というのは数曲ですよね普通のミュージカルは。それがこの作品に関してはよく知っている歌、CMなどで耳にしたことのある曲ばかりで。ホントに素晴らしい、客観的に見てもよくできた作品だと思いましたね。

---相当、思い入れが強いように感じますが。
自分の出ていないシーンでもじっくり見ていたし、一緒に演じたキャストも素晴らしい、これはお世辞抜きで。だって感動しましたもん。僕が一番年下で後輩になるんですが、先輩方のステージが好きで、演じること、歌うことが好きでやっているというのがビシビシ伝わってくるんです。

---それに触発されるように。
僕もこのミュージカルにしても、映画にしても仕事してやっている感覚はないんです。先輩方も同じなんでしょうね。前は自分らしさや意外性に心掛けて臨みました、今回も初演のつもりで、慣れやぬるま湯は恐いですし。

---現場の雰囲気や役回りなんかは?
鳳さん、今さん、団さん、大先輩ですけどこき使われることなく、逆に気を遣って頂いて。稽古終わりに誘われて焼き鳥屋に行ったり、飲みに行ったり。役回りは、小ピーターたちのお守り役です(笑)。子供が好きなんですよ僕。ピーターの少年時代を演じるコたちがいて、いつも一緒にいましたね。

---ミュージカルはこの「ボーイ・フロム・オズ」が初めてだったんですか?
その前にロックミュージカルはやったことがあります。本格的な“ザ・ミュージカル”は初めてですね。

---初演が昨年の6月ですから1年半振りとなるんですね。
この1年半、他の仕事で成長して吸収したことをプラスにして見せたいですね。同性愛も描かれてますが、生きていく中で、人が人を愛することの大事さ、素晴らしさを教えてくれる作品です。

---グレッグ・コンネルという役柄は?
実在する男性で、聞けば彼はすごく男らしく芯が強いモデルだったそうで。今までは周りの人を散々振り回してきた坂本クン演じるピーターが、すがりつくような魅力的な人物ですからね。ピーターの同性の恋人です。

---キスシーンもあったとか。
ありましたね。本番は当然として、稽古ではしてるフリで十分かなと思ってたんです。通しじゃなくシーンごとの稽古だったし、そのシーンにきたら『はい、キスしました。次』という感じで。でも坂本クンは『ブチューとしていいいよ』って。音楽活動は最初からガツンといくけど、芝居は探り探り進めていくものと思っていたので、それがいきなりの即体当たりで驚きましたね。

---他にも戸惑い、苦労があったと思います。
苦労した点は挙げきれないですよ(笑)。

---今回は再演なので、オリジナルスタッフである演出家と振付師の2人はいないそうで。
えっ、そうなんですか?(と担当者を見やる)初めて聞きました。

---あれ? うれしそうなのは。
演出家のフィリップから言われて覚えているのが『君は日本ではIZAMというキャラクターだが、僕はブロードウェイの人間だ。僕の言うとおりにして欲しい!』と。言いたいことは分かるけど、何だいきなり!って。全否定でしょ。それで、2時間くらい口論しましたから(笑)。

---キツい先制パンチですね。
彼は『稽古場からグレッグ・コンネルでいろ!』としきりに言うんです。ボケッと考えごとしながら休んでいると、『グレッグはそうじゃない』とか言うし。ダメ出しのオンパレード、無言のプレッシャー、それに普段の髪型とかメイク、姿勢についてですから、演技以前のことでしょ、こんなところを求めてきたので。

---それは確かに困りますね。
ラストで、グレッグがエイズになり当たり散らす、彼を愛しているからこそ、逆に嫌われようとするシーンがあってどれだけ一生懸命やってもOKが出ないんです。演出家から『こうやってくれ』と言われその通り演じても『違う違う!!』が延々。

僕も『あなたの言う通り何度もやっているじゃないか!だったら演じて見せてくれ!』と言ったんです。で、彼が演じてくれたんです歌も一緒に。それがね、言っていることと違うんですけど、すごい感動して『あ、この人、すごいんだ。言うことを聞こう』って(笑)。音楽は好きで始めたバンドだし、好きなようにやってきたから、SHAZNA時代には教えられたことはなかったですからね。

---和解はしたんですか?
『分かった。言うことと違っていてもそれ以上のことが出来ればOKなんだ』と。そしたら『いいね』と言われて、急に仲良くなり、アイディアを出したりするように。




---となると、振付師の方も厳しく…。
ジョーイの姿勢、取り組みもすごかった。指導してすぐに『今できなきゃ意味がないんだ!』ですから。それも分かるけど、言われてすぐに完璧になんかできないでしょ、と。それでもみんな文句1つ言わないで、トライしていくんです。キャスト、アンサンブルの方々がホントに歌、ダンス、すべてが一級品で、これは保証します。

---でもそういう経験が糧になり、学ぶことも多かったのでは。
バンド時代は常に主張して、こだわりも強かったけど、捨てないとミュージカルでは通用しないかなとは思いました。捨ててプラスに、得たものを大切に大事にしていこうと。ただ一生懸命に、演出家がOKならOKなんだと解釈して『それじゃIZAMじゃない。どんな時でも私たちが知っているIZAMでいて欲しい』というファンの方もいると思うけど、これでいいんだって。昔から賛否両論あるキャラクターですから僕は(笑)。

---日本語版「ボーイ・フロム・オズ」は「月刊ミュージカル」選出の05年度ミュージカル作品部門ベスト3に輝き、絶賛を得た名作。今回、日豪交流年認定イベントとして再演が決定。IZAMさんの好演も評判でしたよ。
そうですか、うれしいですね。ただ、ピーターの母親マリオンの今さん、父親とプロデューサー2役の団さん、そして僕が演じたグレッグの3人は大スターではなく普通の人だから華麗に踊れない人。歌い上げたり、踊りまくったら変でしょ。お客さんから歌えないんだ、踊れないんだ、と下手に思われたくないけど一生懸命さが滑稽で初々しく、それが可愛い、キュートな感じに映るといいですね。

---稽古直前ですが、意気込みをお願いします。
前回のお客さんが多いと思うので1年半の成長を見せないといけないし、坂本クンとの2人の関係性をより色っぽく大人っぽくイヤらしくなく表現したいですね。

---来年10周年を迎えるに当たり、SHAZNAを再結成し6年ぶりに活動開始も話題です。00年10月の活動休止から6年、9月5日の復活ライブどうでした?
懐かしかったですね。20代のすべてを捧げてきたバンドですから。お客さんもたくさんきていただいて、泣いている人もいましたね。ただ、お客さんにはちょっと悪いことをしたかなって。

---何かあったんですか。
Shibuya DUO │ Music Exchange │というジャミロクワイがプロデュースしたライブハウスでやったんですが、会場のデザイン性が高いのはいいけど柱が多くて。見づらいというか柱が邪魔で3人一緒に見ることができなかったんで。裏を話すと9月に復活ライブ、と決めた時にはすぐに押さえられる会場がそんなになかったんですよね。ちょっと悔やまれる点です。

---当初は9月にシングルという話もあったようですが。
今年は準備期間に当てて、来年がデビュー10周年ですから、そこで来春にリリースする予定です。

---音楽に魅せられたのは、いつ頃ですか。
80年代のUKニューウェイブ系の音楽が好きで、11〜12歳ぐらいに憧れたのがデュラン・デュランやカルチャークラブのボーイ・ジョージ。他のメンバーはKISSが好きで、BOOWYに憧れてとバラバラです。




---でも、そんな3人が集まると…。
僕のイメージって赤い髪で、一般的にはヴィジュアル系バンドですよね。でも『ヴィジュアル系って何?』という感じ。メイクも衣装も演出なんですよね、エンターテイメントショー。Tシャツにボロボロのジーンズで、「Melty Love」や「すみれSeptember Love」を歌ってもおかしいでしょ、雰囲気出ないでしょって(笑)。

僕らは例えばフジロックやサマフェスなんかに呼ばれてもちゃんとできる自信があります。演奏している人のスピリットの現れがロックじゃないですか?信念を持って。ライブはかなり男くさいですよSHAZNAは(笑)。

---他にも俳優としてご活躍されて、服飾のデザインに小説の執筆、夏には監督と出演の二役に挑戦した映画『夏音-Caonne-』が公開など多方面で制作活動を行ってますが、原動力は何でしょう?
無形を有形に変える作業が好き、という前提はありますが、会社員には向いてない、なれないのが1つ。型にはめられるのが嫌いで、理不尽さがダメ。アルバイトもたくさんやってきましたけどいつも上司とモメて衝突して。

---じゃあバイトは短期間ばかり?一番続いたのは、どんな仕事で。
20種類近くはやったのかな。長かったのはガソリンスタンドの店員、それもクルマとバイクが好きで、割引給油ができたからまだ我慢できたという(笑)。

---それは向いてないかも(笑)。でも「芸能の仕事」という生きる道が見つかったワケですし、ね。
天職に近い、神様が与えてくれたんじゃないかと。生涯、クリエイティブなことでご飯を食べていくでしょう僕は。ポイントにハマって幸せですよ。

---今後については。
信念を曲げてまで、とは思わないけど、片っ端から挑戦していきたい。未知の分野を含めて。

---役者デビューはSHAZNA活動休止の直前にオファーが来た堤幸彦監督の映画『チャイニーズディナー』なんですね。活動中に話はなかったんですか?
役が限定されちゃうと思ったんじゃないですか、オカマとか(笑)。『ヌード写真集を出しませんか?』というのはあった(笑)。そんなところで勝負したくないし。堤監督から誘われた時は『やっとチャンスが来た』と。『お前は絶対いいモノ持ってるから』と言ってくれて。監督の『溺れる魚』にも出演させてもらって、今年は監督業まで、繋がってますよね。
INFORMATION
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ミュージカル
「ボーイ・フロム・オズ」


オーストラリアの田舎町に生まれたピーター・アレン(坂本昌行)。ダンスと音楽の才能に恵まれた彼は、16歳で故郷を離れ、ショービジネスの世界へ飛び込む。仲間とコンビを結成し、あっという間にシドニーの人気者へとステップアップ。その後、香港でジュディ・ガーランド(鳳蘭)の前座に抜擢され、N.Y.へ。ジュディの娘ライザ・ミネリ(紫吹淳)と結婚し、このまま順調にスターへの階段を駆け上がるかに思えたが…。

東京:10月28日(土)〜11月6日(月)青山劇場
大阪:11月23日(木)〜11月26日(日)大阪厚生年金会館・芸術ホール

演出/フィリップ・マッキンリー
振付/ジョーイ・マクニーリー
出演/坂本昌行、紫吹 淳、IZAM、団 時朗、今 陽子、鳳 蘭

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PROFILE

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IZAM(いざむ)
93年にボーカリストIZAM、ベーシストNIY、ギタリストAOIの3人でロックバンドSHAZNAを結成、97年、「Melty Love」でメジャーデビュー。

2ndシングル「すみれSeptember Love」もヒットし、1stアルバム「GOLD SUN AND SILVER MOON」でミリオンセールスを記録する。

デビュー以降、怒濤の快進撃を繰り広げたが00年10月に充電期間に突入、活動を休止。

その後、モデルとしても、フランスのジャン・ポール・ゴルチエのコレクションにも出演し、男性初のネイルクイーン受賞。

更に俳優として堤幸彦監督作品「チャイニーズディナー」「溺れる魚」に出演。

01年には日本映画批評家大賞新人賞を受賞し、アーティストとしての新たな顔を開花させた。

02年には初小説「ミラー・ボーイ」を出版。

今年は映画「夏音-Caonne-」の監督・出演の2役に挑戦し、休止中だったSHAZNAの活動再開など、多方面で才能を発揮している。

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