仕事情報誌ドカント

2丁拳銃 2丁拳銃
センターマイク1本だけで、100分間ネタを披露し続けるという奇才を放つ漫才コンビ2丁拳銃。昨年行われた毎年恒例のライブ「百式」がDVDとなり、1月23日に発売決定! 100分間しゃべり通す漫才を生み出した経緯やDVDの見どころを、結成15年目ならではのテンポの良さで語ってくれた。現在は漫才を放送する番組が減少しているが、打開策は用意済み。次の漫才ブームを巻き起こすのは彼らだ!!

Interview/内埜さくら Photo/下馬場貴志

---昨年6月にルミネtheヨシモトで行われた百式ライブをDVD化した今月発売のDVD「百式2007」は、100分間連続して行われる漫才が収録されていますよね。まずは、長時間の漫才にトライしたきっかけを教えてください。
川谷「ネタって普通は、1本10分程度の長さなんです。でも、『もうええわ!』ってはけてから『どうも〜2丁拳銃です〜』と1時間半のイベント中にネタごとに繰り返すのが面倒なので、『よし! それなら全部のネタを繋げてしまえ』と」

小堀「で、90分が自分たちの中でしっくりこなかったので、100分にしてしまおうかという話になったんです」

川谷「そういう、ごく簡単な理由からなんです(笑)」

---ずいぶん長い時間、ネタを披露されるわけですが、ど忘れしてしまうことなどは…?
川谷「“忘れてもええか”、“なんとかなるやろう”って感じで始めました。でも、やってみたら意外と覚えてるもんなんですよ」

小堀「今まで全国5ヵ所、20回ぐらいはやったと思いますけど、一度だけ頭の中が真っ白になったことがあります。次のくだりがどうしても浮かばないんです。しょうがないから『なにがやねん!』とか『大丈夫や』と言い続けてました」

---100分を暗記するとなると、台本のページ数も相当な枚数になりそうですからね。
小堀「パソコンのワードで作ってるんですけど、確か50ページは優に超えてるはずです」

---台本は、お2人で作っているのでしょうか。
川谷「相方の小堀君と(構成)作家陣が作るというパターンが多いですね。正直僕は、台本をあまり読みませんが(笑)。僕ね、アドリブを1個でもいいから入れたいんですよ。だから、1〜2回台本を読んだら、あとは生の声に対応して作り上げていくのが好きなんです」

---台本通りに漫才をしない川谷さんに対して、小堀さんが怒ったりすることは…。
小堀「基本の軸がブレてなければいいんじゃないですか。テンションのほうが大事ということもありますからね」

川谷「それ、ウソや(笑)。そういう時、ダンマリ決め込むやないか。小堀君の奥さんに聞いたら家でも同じやって。相手が折れるのを待つタイプなんですよ、小堀君は」

---あはは! 小堀さんは、ネタをどのように作ってますか?
小堀「最近は、1つのネタを1日で作り終わらないようにしてます。数日寝かせるんです。プラモデルにたとえるなら、最初に部品だけを作っておいて、あとから組み立てるって感じ。ネタが思い浮かんだら、メモるかキーワードで記憶してます」

---お2人から“百式”を説明して頂くと。
川谷「僕らの百分式漫才の略で、お客さんの前で100分間ノンストップでネタをやることですね」

小堀「様々なスタイルの漫才を披露する、百分1本勝負の格闘技…とか言うとカッコイイかな。新作漫才が見れるのはこのDVDだけなので、注目して欲しいですね」

---では『百式2007』の見どころを紹介して下さい!
川谷「全部で12パターンの漫才が収録されているんですが、『百式』の中でだけは、ボケとツッコミが逆転してるネタを披露してます。僕もやってて楽しいし、ぜひそこを見てもらいたいです」

小堀「毎年『百式』ライブをやって実感してるんです。『今年が一番よかった』と。そう言えるということは、進化できてるのではないか、と。だから、今年の『百式』だけを見てもらいたいというわけではなく、毎年見て、進化する僕らを見ていて欲しいですね」

---オススメのネタなどはありますか。
小堀「“オープニング漫才”は、ポップな新しさがありますね」

川谷「“動物園漫才”は、今やってる人は少ないけど、王道のストロングスタイルです。ベースは吉本新喜劇ですから分かりやすいですよ」



---00年に活動の拠点を大阪から東京に移されましたが、なにか特別な理由があったのでしょうか。
小堀「当時は、大阪に住みながら東京のテレビ番組に出てる芸人さんがほぼ、いてなかったんですよ。Mー1も始まってないですし。だから、大阪での未来が見えなくなったというか。ルーティンワークだけになってしまいそうな気がしたんです、大阪という、狭い範囲の中だけの…」

---大阪でだけ活躍しても、東京の人たちに知られずに終わってしまいそうな気がした、と。
小堀「そう。いずれ拠点を移すなら “今”だろうと。いずれを今に変え て、実行しただけなんですよ」

川谷「僕は小堀君から話を聞いた時、メチャメチャ不安でしたよ。大阪ではレギュラー番組を持ってたし、やっと2丁拳銃をいろんな人に知ってもらえ始めた時期でもあったし。これからやなって時でしたから」

小堀「その“これから”を、東京に移したんです」

川谷「今では結局、東京に来てよかったと思ってますけどね」

---その“これから”を東京に移して苦労はされましたか。
川谷「上京した時は、レギュラー番組は1本もナシ。東京には劇場もなかったから、終わりかと思いましたよ。でも、僕らって意外と運がいいみたいなんです。どうしようかとなったら、ルミネが出来て盛り上がったりしましたから。売れてるわけじゃないのに(笑)、お金に困ったことがないんですよ」



---漫才のネタを創るという点で苦労したことは?。
川谷「漫才には完成がありませんからね。そういった意味では苦しいこともあるし、死ぬまでやらなあかん、と思ってます」

小堀「お客さんの反応がよかったとしても、それが完成ということにはなりませんからね。全員が笑うということはあまりないですから」

川谷「漫才は、その場で笑いがとれないとダメだと僕は考えているんです。生じゃないと。でも最近は、漫才を放送するテレビ番組自体が少ないですから、僕らもいろいろ考えないと」

---確かに。今はテレビで漫才を見られる機会が減り、悲しんでるファンも大勢います。
小堀「特に、僕らがやっている『百式』は、陸上競技にたとえるならマラソンのようなもの。マラソンは時間がかかるから中継しませんと言われてる感じがするんですよね」

川谷「大きいマラソンは中継もされますけどね、Mー1とか。でもMー1は、結成10年以下しか出場できないから、今年15年目の僕らは出場できないし。筋肉を作り直せと言われているようなものです」

---では、今が一番…。
川谷「精神的な苦労をしているのは、今でしょうね。漫才をする場所がないんですから」

---それでは今後の活動は?
川谷「コントの中でも今はショートコントが多いですから、僕らもやりますよ。テレビに出たいですからね」

小堀「テレビに出るためにはコントだけじゃなく、トークの技術を磨いたり、キャラを立てる必要もあるでしょうし」

川谷「今までやってきた漫才を無にするわけにもいかないから、漫才ももちろんパワーアップさせますよ」

---では最後に、今年の抱負をお願いします!
川谷「もっと世の人に知ってもらえるように頑張ります! あと、今までと同様に、人との出会いを大切にしていきたいですね。周りの人の助けあってこその自分ですから」

小堀「じゃあ僕は、来年も頑張ります! …って、2008年が始まったばかりですが(笑)」
INFORMATION
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2丁拳銃

■DVD「百式2007」
07年6月24日に東京・新宿のルミネ the よしもとで開催された舞台をDVD化。「百式」とは、2人がセンターマイク1本のみを用いて、日常生活でのちょっとした体験から古今東西のあらゆる風俗、万物の心理に至るまでを笑いに昇華して、それを100分間ノンストップで観客の前で披露する行為のことを指す。毎年恒例百分1本勝負の格闘技! あんな漫才、こんな漫才、怒涛の漫才百分間ぶっ通し! 百分間しゃべり続ける2人を前に百分間笑いっぱなしでぶっ倒されること間違いなし!
(1)オープニング漫才(2)名言ライム漫才(3)童話漫才(4)天気予報士漫才(5)お葬式漫才(6)働きアリ漫才(7)動物園漫才(8)海外旅行するなら漫才(9)マネージャー漫才(10)家具屋漫才(11)仙人漫才(12)チョコレートパフェ漫才の全12漫才収録。特典映像として、インターネットで2年間配信していた「2丁拳銃の撃ちっぱなし」の中から「ちょっとコント」を完全リメイク収録。
発売元/YOSHIMOTO R and C CO.,LTD. 3150円(税込)

公式HP

■ライブ情報
1/19よしもと浅草花月、1/27「芸人による高齢者の為のチャリティライブ2008笑って長生きライブ〜新春〜」(なかのZERO小ホール)、1/29「うめだプレミア【野爆テレビ】」(うめだ花月)、1/30「うめだスタンダード」(うめだ花月)などに出演。その他情報や詳細はこちらでチェック!!

PROFILE
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2丁拳銃(にちょうけんじゅう)
2丁拳銃

小堀裕之(こほり・ひろゆき)
1974年1月9日生まれ 奈良県奈良市出身
2丁拳銃

川谷修士(かわたに・しゅうじ)右
1974年5月17日生まれ 兵庫県神戸市出身

12期生として大阪NSC(吉本総合芸能学院)で出会い、93年6月にコンビ結成。コンビ名は2人が大ファンだというTHE BLUE HEARTSが歌う「44口径」の歌詞に由来する。巧みな言葉遊びで笑いを産み出す漫才、意外な設定を切り口としたコントが売り。00年に活動の拠点を大阪から東京に。03年のM-1グランプリではラストチャンスで見事決勝進出。98年に「逢いたくて」でCDデビュー。修士の切ない歌声に小堀のパンキッシュなボーカルとハープでアーティストとしての一面も見せている。97年、第18回ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞、第27回NHK上方漫才グランプリ優秀賞、平成9年度NHK新人演芸大賞(演芸部門)大賞、98年、第33回上方漫才グランプリ新人奨励賞を受賞。今年、コンビ結成15周年を迎える。

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