ホストの仕事を詳しく解説。システムやお給料、稼げる条件など。

■女性にモテて高収入!男冥利につきる職業……

男子が憧れる職業といえば……
スポーツ選手にIT企業の社長、最近だとゲームクリエイターやユーチューバー……「小学生の将来なりたい職業ランキング」でたびたび登場する、このような仕事を思い浮かべる人も多いだろう。

しかし、世のなかにはそんな由緒正しい“表”のランキングには登場しないが、多くの青年男子を惹きつけてやまない職業が存在する。

夜の世界の“モテ男”ホストだ。

女性たちの間を華麗に立ち回り、シャンパングラスを傾けながら大金を稼ぎ出す。ホスト界の聖地、新宿歌舞伎町をを歩けば、オシャレなファッションに身を包み、高級腕時計アクセサリーをまとったホストたちが颯爽と街を闊歩する姿を目にするはずだ。
女性にモテて高収入が手に入る……こんな男冥利に尽きる職業が他にあるだろうか。

今回は、そんなホストの仕事に焦点を当ててみたい。

ホストの仕事内容や給料ってどうなってるの?その実態に迫る! 男性高収入求人ドカント

■ホストクラブってどのようなところ?[業界独自のルール]

ホストの仕事場はいうまでもなく“ホストクラブ”だ。そこでホストたちは女性客のためにお酒を作り、トークで楽しませる。

女性客は決して安くはないセット料金を支払い、気に入ったホストと時間を過ごす。セット料金には、テーブルチャージ代、指名料、飲み物代、サービス料、税金(50%の店もある)が含まれる。

サービス内容からすれば、キャバクラの“男女”が入れ替わったバージョン、ともいえる。法律(風営法)の面から見ても、ホストクラブとキャバクラは同じ許可で営業しており営業時間などの類似点も多い。

また、ホスト業界独特のシステムもある。“永久指名制度”だ。

◆永久指名制度
多くのホストクラブでは、永久指名制を導入している。これは女性客がホストを一度指名するとそのホストが以降ずっと“担当”になり、指名のホストは変更できない制度だ。

ちなみに担当以外のホストが女性客に連絡したり関係を持つ行為は“爆弾”“つぶし”と呼ばれ、多額の罰金強制退店など処罰の対象になる。

ホストクラブでは指名客の売上金額から、ホストの給料が計算されるので、指名を巡ってホスト同士にトラブルが起きないように永久指名制度がルール化された。ホストは、いかに永久指名の客数を増やしていくかが給料アップの鍵となる。※ 関西のホストクラブでは、永久指名制度を採用していない店舗も多い。

■一部営業と二部営業

ホストクラブは、営業時間から一部営業二部営業に分類される。

一部営業・・・19時前後オープン~24時(エリアによっては翌1時)
二部営業・・・早朝(日の出)~昼頃 ※早朝から午前中まで

これをキャバクラに当てはめると、さしづめ一部が“夜キャバ”、二部が“朝キャバ・昼キャバ”となる。
このようにホストとキャバクラは風営法下におかれているので似たような営業時間だが、それぞれメインの時間帯は異なる。キャバクラが圧倒的に“夜キャバ”(ホストでいうと一部営業)がメインで、ホストクラブは二部営業がコアタイムだ。
その理由は、ホストクラブのメインの顧客となる、キャバクラや風俗店などナイトワークで働く女性たちの事情による。
キャバ嬢や風俗嬢たちは、深夜24時~翌1時頃に仕事を終えるケースが多い。
昔、といってもほんの10数年前まで、ホストクラブは風営法の規制などお構いなしに夜通しで営業していたため、彼女たちは仕事が終わり次第、ホストクラブに向かえばよかった。

しかし、2006年後半、ホストの聖地歌舞伎町で、風営法に定められた時間外営業によるホストクラブの摘発が相次いだ。これによりホスト業界は法律を遵守し、深夜から日の出までの営業を止め、現在の一部・二部の営業スタイルになった。

営業時間が2つに分割されると、“一部”の時間帯は、ナイトワークで働く女性の多くにとって、自らの勤務時間と重なってしまう。よって彼女たちは必然的に“二部”へと向かうようになる。
しかもホストクラブにとって、キャバ嬢や風俗嬢などナイトワークでバリバリ稼ぐ女性たちは、多額のお金を使ってくれる“太客”のため、必然的に二部が盛り上がることになった。

そんな太客たちが遊ぶ特殊な世界であったホストクラブも、最近では女性の社会進出も相まって昼職のOLや女子大生が気軽に訪れる時代となった。
このようなホストクラブのカジュアル化により、一部営業にも多くの女性客が来店している。
もちろん彼女たちの多くは、シャンパンをポンポンと開けたりしないが、一部営業をメインにして店舗展開しているホストクラブも多い。

■メンキャバやボーイズバーとの違いは?

ホストクラブを語るとき、“メンキャバ”“ボーイズバー”などの呼称があわせて登場する。皆さんはホストクラブとの違いをご存じだろうか。

メンキャバとは、“メンズキャバクラ”の略称で、ボーイズバーも営業内容は同じく、基本的なサービス内容はホストクラブと変わらない。ホストクラブの一業態だがシステムにはいくつかの違いがある。
その一つは料金システムだ。
メンキャバはキャバクラと同様に、“1時間〇千円”時間制になっている。対してホストクラブの多くはフリータイム制だ。
ちなみに短時間で遊ぶならメンキャバのほうがリーズナブルになっている。
そしてもう一つの違い。
メンキャバには永久指名制がない。よってメンキャバでは指名替えが可能なのだ。
また、メンキャバには売掛(ツケで飲ませる)の制度もない。

ホストクラブとメンキャバでは、給料システムも違う
ホストクラブの給料は、担当する指名客の売上に応じた歩合制になっている。対して、時間制の料金システムを採用しているメンキャバでは、時給や日給など固定給がメインで、歩合も付くがその割合はホストクラブに比べて低い。
違いを比べると、メンキャバのほうが固定給なので収入は安定している。また売掛制度がないので、女性客の支払いが焦げ付いた場合の立て替えの心配もない。
一部の時間帯で営業している店舗も多いので、学生やフリーターが副業でアルバイトをしているケースも多い。

■“出張ホスト”との違いは?

ホストクラブと出張ホストの仕事を混同している方も多いので説明しよう。出張ホストとは、文字通りホストが女性客のもとに出張してデートをするサービスだ。
そこではマッサージや性的なサービスをおこなう場合も多く、どちらかといえばホストクラブの出張バージョンというよりも、デリバリーヘルスの男性出張バージョンに近い。
よって接待飲食業のホストクラブとは完全に別業種

また、出張ホストは、登録制(完全歩合給)の場合が多い。
しかし、登録料やサイト掲載料などの名目で多額の料金を取られ、結果的にまっったく女性客が付かない、登録金目的の詐欺業者や、美人局まがいの賠償金を請求する悪徳業者の存在が指摘されているため、働く際には注意が必要だ。

最近では“レンタル彼氏”などの名称で営業をしているケースも見受けられる。


ホストクラブってどのようなところ? 男性高収入求人ドカント

■ホストの仕事内容

女性客をお酒とトークでもてなすホスト。仕事内容は以下の業務が挙げられる。

【営業前】
・開店準備

主に新人ホストの仕事。開店時間の1~2時間前に店に到着して、店内の清掃、グラスや灰皿などの汚れチェック、おしぼりの用意をおこなう。またオープンまでの時間帯にミーティングをする。

【営業中】
・接客

ホストにとって最も重要な仕事。担当する女性客のテーブルに付き、指名がないときはヘルプとして他のホストのテーブルに付く。
担当する女性客が複数来店している場合は、他のホストと連携しながら不公平感なく席を移動することが重要。

・ドリンク作り
主にヘルプで付いたホストの仕事となる。ホストクラブといえばシャンパンのイメージだが、カクテルも注文されるので作り方を覚える必要もある。
またドリンクを作る際の順番は、女性客、担当ホスト、先輩ホスト、自分、と決まっている。

・乾杯
ホストによる乾杯の音頭はホストクラブの華ともいえる儀式だ。
これは女性客がシャンパンを注文した際に、店内のホストが集まり乾杯の音頭をあげる“シャンパンコール”が有名だが、店やホストによって特徴のある音頭がある。
ちなみに、ホストクラブのシャンパンは1本1万5千円~10万円くらいで、100万円以上のボトルもある。
太客は己の力を誇示するために、より高額なシャンパンを入れたりするのだ。

・テーブルマナー(タバコに火をつける・灰皿交換)
ホストたる者、テーブルマナーを身につけなければならない。
水滴がついたグラスの交換はもちろん、女性客のタバコに火をつけるのはホストの役目。
また、灰皿に吸い殻は残してないけない。灰皿は頻繁に交換して気を配りたい。

【営業後】
・閉店作業

閉店作業も主に新人ホストの仕事で、店内の清掃、グラスや食器洗いなどをおこなう。その後お店のミーティングが開かれて仕事が終わる。

・同伴、アフター
ホストクラブへの出勤前に女性客と食事や買い物などをともにして、その後一緒に出勤することを“同伴”という。
また、営業が終わったあとに女性客と別のお店で時間をともにすることを“アフター”と呼び、どちらもホストにとって重要な仕事。
営業時間外の女性客との付き合いも、指名客を増やすためには欠かせない。

ホストの仕事内容 男性高収入求人ドカント

■ホストの給料システム

ホストは個人の実力次第でウン千万、いや、それ以上の大金も稼げる業界だ。なぜそれが可能なのか?ホスト業界の独特な給料システムに拠るところが大きい。

・歩合制&バック率スライド制
ホストの給料は、各々が担当した指名客からの売上金額に応じた歩合制となる。
売上金額のうち給料となる割合(バック率)を各店が定めており、それをもとに給料の金額が決定する。

例を示すと、売上が100万円、お店のバック率が50%だとすると、100万円×50%→給料50万円となる。
収入は売上次第、売上がアップすれば給料もその分アップするシンプルなシステムなのだ。
さらにホスト業界では給料がアップする仕組みがある。それは売上に応じて、バック率が40%から最大80%に変動する、バック率のスライド制だ。

売上300万円以上バック率70%、としてる店の場合。
300万円×50%→給料150万円ではなく、300万円×70%→給料210万円となる。

歩合制&バック率スライド制……これがホストクラブの給料システムだ。

これを踏まえて考えてみてほしい。
ホストの聖地、新宿歌舞伎町を歩くと必ず目に入るホストクラブの看板広告。
そこに踊る「○○○(ホスト名)、月間売上1億円達成!」という文字。
これをバック率80%で算定すると、どうなるだろうか……
どれだけ夢のある世界か……わかるだろう。

■新人ホストを守る最低保証給もあり

しかし、お気付きの人も多いだろう。「これだと売上がなければ給料なし?」
そう、このシステムで算定する限り、売上ゼロだと給料もゼロだ。だがご安心を……ホストクラブには“最低保証給”というシステムがある。

最低保証給とは、売上がなくても支払われる給料のこと。ホスト業界に初めて入った新人に、指名の女性客がいるわけない。
最低保証給は、そんな新人ホストを守るための制度だ。

求人サイトでホストの求人情報を見ると、“日給1万円”などの記載がある。これが最低保証給で、売上歩合がこの金額を超えない限り支給される

しかし、最低保証給は店によって1ヵ月や3ヵ月などの期限が定められていることが多いので、その期間に指名客をつかまなければならない。
一見厳しそうに思えるが、現在のホストクラブでは充実した研修制度を始め、初回料金を“1時間2千円”など安く設定して新規客を増やし、新人ホストに指名客獲得のチャンスを与えるなど、店側のバックアップ体制も整っている。


ホストの給料システムは? 男性高収入求人ドカント

■ホストになるための必要条件[イケメン・お酒・アルバイト]

イケメンじゃないとホストは無理でしょ?」
酒が飲めないからホストはできない?」
学生がアルバイトでホストは無理かな?」

などと思っている人も多いだろう……

◆イケメンじゃないとホストにはなれない?
たしかに、イケメンホストが甘いセリフで女を酔わせる……というのがホストのイメージ。容姿端麗な男性がホストにとって有利なことは否定できない。
しかし、奥が深いホストの世界では、見た目がすべてではないのだ。
ここではホスト業界で広く知れ渡っている、キャラに応じた“営業スタイル”を紹介したい。

【色恋営業】
略して“色営”。甘いセリフや態度を使って女性客と恋愛関係にあるかのような雰囲気を醸し出す接客方法。
この色営の、もう一歩踏み込んだバージョンとして“本営”(本命彼女営業の略)があり、これは女性客に「私が本命の彼女だ」と思わせる接客方法。

【友達営業】
略して“友営”。女性客の友達ノリでワイワイとお酒を飲みながらトークしたり、悩み相談に乗ったりする接客方法。
アフターの付き合いはもちろんのこと、普段からいかに親しみやすさを出せるかがポイント。

【オラオラ営業】
略して“オラ営”。強気の姿勢を前面に出し、うえから目線で女性をあおる接客方法。 
「俺のために店に来いよ」なんて高圧的な営業トークで、Mっ気のある女性客には特に有効となる場合が多い。

このようにホストクラブではさまざまなホストが、自らの長所に応じた営業スタイルで活躍している。イケメンは大きな長所となるが、それが必要絶対条件ではない

◆お酒を飲めないとホストになれない?
ホストクラブは女性客にお酒を提供する場所だ。
そして女性客の勧めでホストも一緒にお酒を飲み、それが売上につながるシステム。だから、お酒を飲めなければ仕事にならない、という認識であった。

しかし、最近では新たなスタイルのホスト“ネオホスト”が誕生したことにより状況が変わった。

ネオホストとは、デニムやTシャツなどのカジュアルなファッションに身を包んだモデルクラスのオシャレなホストで、InstagramやTikTokなどのSNSで話題になっている
またお酒ではなくソフトドリンクを飲みながら接客をおこなうなど、従来のスーツ姿でガンガンお酒を飲むホストの営業スタイルとは一線を画している。
そんなネオホストが集うホストクラブでは、女性客もお酒を飲む必要はなく、それでも年間の売上金額が1億円を軽く超えるカリスマホストも誕生している。

お酒を飲めないとホストになれない時代は終わっている。

◆ホストの仕事は大学生のアルバイトでも可能?
大学生がアルバイト勤務でホストの仕事に就くことは可能なのか?結論から先にいえば、答えは“イエス”だ。

多くのホストクラブが、週1日から勤務OK、終電帰りOK、といった勤務を可能にして学生を迎え入れている。

しかし、ホストクラブでアルバイトなんて学生の本分に反する、と憤慨する人もいるかもしれない。
だが考えてみてほしい。
都道府県で定められた最低時給(東京都1,013円)でアルバイトに就いて、長時間労働で稼げる収入以上の金額を、ホストクラブなら最低保証だけで軽く稼ぐことができる
そのうえ、ホストクラブは風営法で定められた営業時間を遵守しているので、夜通しの長時間労働もない。
また学生が酒浸りになるなんて……と思うが、ネオホストなら、ソフトドリンクメインでホストの仕事が可能だ。

そう考えると、ホストクラブのアルバイトは、むしろ効率よく稼いで多くの時間を学業に充てられる、理想的な学生アルバイトの一つではないだろうか……

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