夜の仕事で成り上がれ!ホストvsキャバクラボーイ(黒服)!! 男はどっちを選ぶべき?

キャバクラとセクキャバの男性スタッフ(黒服・ボーイ)~接客や仕事内容を徹底比較! 男性高収入求人ドカント

■ここは都心の繁華街。とある雑居ビルでひっそりと営業するBAR

この街で働くナイトワーカーたちが集うこのお店。
今日も21時頃にBARに着くとカウンターには数人の客が座っていて、なかに見慣れたがいた。

「よぅ、インチキライター、久しぶりやな」

日焼けした精悍な顔立ちにオールバック、ビシッとスーツを着こなしているナイスガイ。
この男は、都内で数店舗を運営しているキャバクラグループで店長を任されているS氏だ。
出身地の関西弁を変わらず話し続けているのがトレードマークだ。

S氏はキャバクラ稼業を20年以上も続けているので、夜の街の裏情報に詳しい。
彼からは何度か貴重な情報を提供してもらったこともあり、無下にはできない間柄なのだ。

「最近調子はどうですか?」

私の適当な挨拶にS氏は大げさに顔をしかめながら答えた。
「全然アカン。もう、しんどいわ」

「えっ、お店の悪い話は全然聞かないけど……」
それは本当だった。するとS氏は手をひらひらと振りながら

「いやいや、客はボチボチ入ってんねんけどなぁ、とにかく人手が足りんのや。それでも店は回さなアカンから俺も含めてスタッフはてんてこ舞いやで」

■夜の街、水商売、最近はどこも人手不足……

夜の街、水商売、最近はどこも人手不足…… 高収入求人ドカント人手不足……S氏のキャバクラに限らず、私の取材先である夜の業界では頻繁に聞く話だ。

“求人サイトにお金をかけて募集広告を出しても人材が集まらない”
“平均的な給料で募集しても誰からも応募がこない”
などと、どのお店も四苦八苦している。

「そっちもか、ホスト業界も人材難で苦労してるんだよ」
知らぬ間に我々の前に立っていたマスターが言った。

元カリスマホストにして、今もホスト業界のご意見番を自認するマスター。
今もその人脈からいろんな話が入って来るのだろう。
しかし、ホストクラブでホストが不足している状態は、お店に商品が並んでいないのと同じだ。商売にならない、まさに死活問題だ。

3人で夜の業界の人材難について論じていると入口のドアが開き、1人のがやってきた。

■いざ高収入の男となれ!ナイトワークの世界へ!

「ちわっす!」

やってきたのはBARの常連客、ヒロシだった。

日に灼けた肌にB系ファッションのこの若者、歳の頃は20代前半。
以前に聞いた経歴は→都内の中堅私大に入学するもほどなく退学→その後は実家住まいで親のスネかじり→アルバイトで遊び代を稼ぎこの街をウロチョロしている……というものだった。

そんなヒロシになぜかいつもの元気がない。
おや、どうした?と思っているとヒロシはマスターに苦笑いしながら言った。

「マスター、何か仕事を紹介してもらえないですか……」

「お、どういう風の吹き回しだよ?何があった?」
マスターが問う。

「定職にも就かずに遊び歩いてたら『家を出て行け』って親が怒っちゃって。出て行くにも金がないし、そろそろ真面目に働こうかなって……」

「ほほぅ」

「でも高卒で昼の仕事をしたところで給料も安いし、どうせ続かないから……それなら夜の世界で一発成り上がってやろうかと思って。ハッハッ」

ヒロシの脳天気な発言にクスリとしていると、マスターとS氏の視線が異様に熱くなっていることに気付いた。
そして2人は身を乗り出して同時に声を上げた。

「ホストやらねえか!」
「キャバクラで働かへんか!」

2人はその後も視線をバチバチやりあっている。
マスターはホスト不足で困っている後輩のお店にヒロシを紹介したい、S氏もまた人手不足の自分のお店に引き入れたいのだろう。
ここは一つ、利害関係のない私が仲裁しなければなるまい。

「まあまあ、とりあえずヒロシはマスターに相談に来たんだし、まずはマスターからアピールして次にSさんという順番にしましょう」

私がそう言うと、マスターはニンマリとしながら何度も頷き、S氏も不承不承ながら同意した。

■アピール① ホストの仕事!

アピール① ホストの仕事! 高収入求人ドカント
まずはマスターがホストの仕事をアピールする。
「ヒロシ、お前“一発あてて成り上がりたい”って言ったよな?」

「うっす」

「男が腕一本でのし上がれる世界ときたら、ホストしかないだろ」

自信たっぷりにマスターは言った。

「たしかに、ホストって超羽振りのよいイメージがあるけど、そんなに儲かるんすか?」

「おう儲かるぞ。なぜかって?ホストの給料が歩合だからだよ。売上バックの歩合制、わかるよな?」

「いや、ちょっとわからないス…」

■ホストの給料は歩合給。売上次第で収入アップ!

ホストの給料は歩合給。売上次第で収入アップ! 高収入求人ドカントマスターはあきれ顔で続ける。
「そんなことも知らないのか。普通にアルバイトをすると、時給や日給で給料をもらうだろ?働いた時間に応じて給料の金額が決まってる固定給制で」

「それはわかります」

「ホストの給料ってのはそうじゃないんだ。どれだけ売上を達成したかで給料額が決まる成果報酬型の給与体系なので、ガンガン売上を上げたらガッポガッポ稼げんだよ!」

「そりゃあイイっすね」

「ホストの収入のバック率(売上に対する歩合の割合)は40%~60%もあるんだ。バック率に幅があるのは、月間売上が10万円や20万円しかないホストだとバック率は最低ラインの40%になって、月間売上が100万円を超えるとバック率が最大の60%に移行するようなスライド制になっているからなんだ。売上がアップすればそれに応じて稼ぎも上がるシステムだ」

マスターはホストの収入例を示した。

月間売上200万円×歩合(バック率)60%→月収120万円

「おおお、こりゃすごいっすね 月収100万円超え
ヒロシが歓声を上げると、
「ふん、そんなに貰えるホストなんてほんのひと握りだよ」
というS氏のつぶやき声が聞こえてきた。

「ちょっとSさん、黙っててよ」
マスターがたしなめるも、ヒロシの耳にもそのつぶやきが届いたらしい。

「でも、売上に対する歩合だと、売上がなければ給料がもらえないってことですよね?」

マスターは慌てて手を振り言う。
「いやいや大丈夫、新人がいきなり売上を作るのは難しいだろ?だから最低保証の制度があって、たとえ売上がなくても月給10万円~15万円程度はもらえるようになってるから」

「じゃあ売上がなくても給料ゼロってことはないんですね」

「そう、だから安心してホストを始められるぞ」

「でも最低保証って期限付きだろ?」
とまたまたS氏が意地悪くつぶやく。

「だからアンタは黙ってろよ」
もう店と客という関係を忘れてしまっているマスター。

「たしかに最低保証は最初の数ヵ月間と決まってる店も多いけど……ってかヒロシ、お前は夜の世界で成り上がるんだろ?最低保証なんてアテにしなくても大丈夫だよ」

「は、はい……」

■お客様(女性)を楽しませて、しかもガッツリ稼ぐ!

お客様(女性)を楽しませて、しかもガッツリ稼ぐ! 高収入求人ドカント「お前は愛嬌があるからすぐに指名が取れるようになる。オレが断言する!最近ではメンキャバボーイズバーとかカジュアルなタイプのホストクラブも人気で、学生がアルバイトで月収50万円とか稼いでるんだよ」

「そ、そうなんですか……」

「女性客を楽しませて、自分もガッツリ稼ぐ。こんなハッピーな仕事ないだろ?やりがい抜群だぞ。どうだ、働きたくなってきただろ?」

「は、はい」

ヒロシをその気にさせつつマスターは続ける。
「新人ホストは掃除と雑用全般が仕事になる。指名客もいないから先輩ホストのヘルプだったりと、なかなか仕事は大変だけど指名が取れて売上が伸びてくると待遇も良くなるから、それまで数ヵ月間の我慢だ」

マスターはたたみかける。
「ホストには、19時~24時が営業時間の1部営業と、日の出~昼12時が営業時間の2部営業がある。まず最初は1部にするか?よし、オレが昔から可愛がってる後輩の店を紹介してやるから……」

そういってマスターがスマホを取り出すと…。

「おいおい、まだこっちのアピールが終わってへんわ。何を勝手に進めてんねん」とS氏から声がかかった。

■アピール② キャバクラ“ボーイ”の仕事。

アピール② キャバクラ“ボーイ”の仕事。 高収入求人ドカント次はS氏がキャバクラでボーイや黒服と呼ばれる男性スタッフの仕事をアピールする。

「ウチのキャバクラのボーイは、正社員で月給30万円スタート、アルバイトは時給1,500円スタートで募集してるけど、君は夜の世界で成り上がりたいんやったな。じゃあ正社員でバリバリ稼ごうか」

「あ、はぁ……」

「なんや、反応が悪いな・・・。えっ?ホストに比べて給料が低い?アホいうな、月収120万円ってのは、もしも売上が立てれたらって話やぞ。君に200万円を払って酒を飲みに来てくれる女がすぐに見つかると思うか?見つからんやろ?」

「200万……無理っすね」

「せやろが、ウチは普通に働けば最初から月に30万円や。ホストの最低保証は月給10万~15万円やからウチのほうが高いやろが!」

■店長クラスになれば“年収1千万円”も夢じゃない!

「ホストみたいな売上に応じた歩合給やないから収入は安定する。それに給料の金額もどんどん上がっていくで!」

S氏は給料額を示した。

・正社員:月給30万円スタート
・幹部候補:月給45万~55万円以上

店長クラスになれば売上歩合も含めて月収100万円以上も可能。

「おおお、月収100万!俺も年収1千万の仲間入りか!」
ヒロシが歓声を上げた。

「でも幹部候補や店長になるには、ものすご~い時間がかかるんじゃないの?」
今度はマスターが口を挟んだ。

「いや、そうでもないんやで。この業界キャバ嬢とヤレるちゃうかと思って入って来るアホもおるし、途中で夜の仕事を断念する人もいたりして、結構辞めていく奴も多いんや。だから地道に頑張っていれば空いたポストがすぐに回って来るし、短期間で出世する可能性もあるんやで!」

「頑張れば可能性ありってことっすね」

「でも仕事がきついからみんな辞めていくんだよな~」
ここでもマスターが口を挟む。

「きついのはホストも同じやろ(怒)」

■将来はキャバクラ全体を動かす「指揮者」に!

将来はキャバクラ全体を動かす「指揮者」に! 高収入求人ドカントS氏はまたも凄みながら話を続けた。

「キャバクラのボーイの仕事内容は、営業時間は19時~翌1時まで、ボーイの出勤時間は17時。そこから清掃業務や開店準備、キャストの出勤確認になる。営業がスタートしたら、お客さんの案内や応対、ウエイター業務、そして店が終われば閉店作業や。男子スタッフが担当するキャストへ接客の指導をしたり、ときには悩みを聞いてあげたりアフターケアも仕事の一つになる」

「やることがいっぱいっすね」

「たしかに最初は大変や。だけど経験を積んでいけば付け回しといって、キャストをどのお客さんのテーブルに付けるかを決める重要な仕事も任されるようになる。そうなったら、店の売上が伸びるかどうかはお前次第や、まさにお店の指揮者やで!」

「でも、キャバ嬢とはヤレないんスね……」

「そりゃそやろ!キャストは店の商品やねんから!罰金もんやで!」

その時マスターが身を乗り出してヒロシにささやいた。

ホストだったらキャバ嬢とヤレるぞ

S氏は持っていたグラスでカウンターをドンと叩き……
「さっきからガタガタうるさいんじゃぁぁああ」と叫んだ。

そして2人は睨み合い、その様子に怖れをなしたヒロシは……
「あ、あの、じっくり考えてまた連絡します」と席を立った。

2人はヒロシにそれぞれの名刺を渡し、
同時に「連絡待ってるぞ!」と叫んだ。

■ホストorボーイ、自分はどっち?タイプ別分析!

そんな姿を見つめながら私は考えた。
ホストとキャバクラのボーイ、そのどちらも女性を扱う仕事に変わりはない。
ホストは女性をお客様としてもてなし、ボーイは女性(キャスト)を商品として営業する。

どっちが儲かるのか?も大事だが、自分はどちらに向いているのか?と考えてみるべきだ。
女性を扱いながらも、自分がお店の「主役」として表に立つタイプか、お店の「裏方」として主役をサポートするタイプか、大きく違う

前者はホストに向いているし、後者はボーイの適性がある。
ホームページや雑誌にバンバン露出して自分を売りながら稼げる人はホストに、女の子をプロデュースして売れっ子キャバ嬢に育てあげ、一緒に儲けたい人はボーイに向いている。


あとでヒロシにメールでもしてやるか……
いまだにS氏は仏頂面でグラスを傾け、マスターも向こうへ行ったままだ。
まあしかし、歩んできた道は違えども互いに接客のプロなのだ。
頃よいタイミングで声をかければ、何事もなかったように笑いながらで話し始めるに違いない。

しかしヒロシはホストとボーイ、どちらの仕事を選ぶのだろうか。
今日の2人の大人げない姿を見たら、どっちも選ばないかもしれないが……

(ライター:JSR)