■20代と30代の男性正社員 平均的な月収は?
転職サービスdudaが公開している調査結果によると、20代と30代の男性の年代別で見る平均年収は以下のとおりである。
・20代の男性 平均年収は371万円
・30代の男性 平均年収は484万円
こちらは、2019年9月~2020年8月の1年間に、dudaエージェントサービスに登録した“ホワイトカラー系”正社員のデータをもとにしたものである。
当然この金額には賞与などが含まれているが、単純に平均年収を月額で割ってみよう。
・20代の男性 平均月収は30万9167円
・30代の男性 平均月収は40万3333円
この収入額を見てどう感じるだろう。
多いと思われるか、それとも少ないと思われるだろうか……
もちろん、このデータは正社員をベースにしているので、高い学歴やハイスペックな資格を有している方々の数値が含まれている。
では、学歴や資格、職歴が問われず、この平均収入より稼げる仕事はあるのだろうか。
とにかく稼ぎたい!
そんな男性たちのために、己の才覚だけで高収入をつかめる職業をドカント編集部がピックアップ。
今回は、実際にその仕事を経験している方にお話しを聞いてみた。
■稼げる仕事の経験者に聞いてみた
3年前まで新宿の歌舞伎町で“カリスマホスト”であった田島さん(仮名、35歳)。
現在も歌舞伎町でバーを経営している。
“裸一貫”の男がバリバリ高収入を稼げる仕事……ランキング1位は……
夜の街の花形、“ホスト”である。
そこでホストの経験者である田島さんに体験談を聞いてみた。
■男性が稼げる仕事1位…ホスト
【資格】学歴、職歴、資格は一切不問 ※未経験者も歓迎
【時間】19時~翌1時(1部営業) 早朝5時~昼頃(2部営業)
【休日】週休1日~2日
【仕事内容】
ホストクラブで女性客をトークとお酒でもてなす。
また、アフター(営業終了後)や同伴(営業開始前)で、女性客と食事をしたり店外での疑似デートも仕事になる。
【給料】
ホストの給料は、売上金額とバック率で決定する。
売上とは女性客がお店に支払う飲食代金のこと。
その売上に対する歩合の割合をバック率という。
バック率は、売上に応じたスライド制の店舗が多い。
売上が一定金額を越えるとバック率も上がり、より多くの収入を手にできるシステム。
売上がなければ給料は発生しないが、入店後数ヵ月間の新人ホストには、売上がなくても15万円~20万円の最低保証給与を支払う店舗も多い。
【ホストの収入例】
バック率が40~60%のスライド制のホストクラブ(月間売上が100万円を超えるとホストのバック率60%)
この店舗で、月間売上が200万円の場合の収入は……
売上200万円×バック率60%→120万円(プラス指名本数などの各種賞金あり)の月収となる。
田島さん「自分がホストをやってたのは、23歳から8年くらい。大変だったけど稼がせてもらいました」
そう言って優しく微笑む田島さんに質問をぶつけてみた。
■看板にある“月間売上1億円達成!”は本当?
――(編集部)歌舞伎町にあるホストクラブの宣伝看板に『当店ナンバーワンホスト●●月間売上1億円達成!』など書いてありますが、本当にそこまで稼げる仕事ですか?
「個人で売上1億円……はレアケースだけど、ナンバー入りのホストになれば、“月収1千万”クラスのホストは割といるんじゃないかな」
――月収1千万!それはすごい。20代会社員の年収の数倍ですね。ホストは自分で売り上げた分はガッチリと歩合で稼げる仕事ですからね。
「月収1千万稼ぐためには、単純に売上1千800万あればいいから……1ヵ月の出勤を20日とすると……1日90万を売り上げればOKってことでしょ、イケるイケる(笑)」
――イケますか……でもそれだけ稼げる反面、売上がゼロだと給料もゼロですよね?
「そう、最低保証はあるけど、それもずっと続くわけじゃないし、ハイリスクハイリターン。でも学歴や経歴に関係なく一獲千金をつかめる世界だからね」
――たしかに学歴や経歴は必要ないかも知れませんが、月収1千万を稼ぐ“売れっ子ホスト”になるには、相当な“イケメン”じゃないと無理ですよね?
「まぁ最低限の容姿は必要かもしれないけど……」
――テレビなどマスコミで見かけるホストは、やっぱり超イケメンじゃないですか?それこそ普通には手に入らない“才能”ですよね。
「でも見た目がすべてじゃないからね。超絶なイケメンでも全然人気がないホストもいるし、容姿が人並みでもキャラクターで売れる奴も多いからね、俺みたいに(笑)」
――あまり容姿にとらわれる必要はない?
「そうそう、“トーク力”を磨くとか“聞き上手”になるとか、自分に合った営業スタイルを見つけることが大切。“オラオラ営業”なんてスタイルもあるし(笑)」
――見た目よりも自分の個性に見合ったスタイルが重要だと。
「そうだね、あとはホストっぽい雰囲気も大事。やっぱりお客さんは水商売のお姉さんやお金持ちのマダムが多いから、スーツもドルチェ&ガッバーナのタイトシルエットにしたり……彼女たちに受ける格好をするのは必要だ」
■ホストの世界で成功するために必要なこと
――ホストで成功するための必要条件とは?
「接客業の基本だけど、重要なのは気配りだよね」
――高いお金を払ってくれる女性客に最大の気配りをしろと。
「女性客に気を配るのは当然。売れっ子ホストになる奴は、一緒に仕事をするホスト仲間や裏方スタッフにも気配りができるんだよ」
――他のホストはライバルですよね?
「ホストの仕事は個人プレイだと思われるけど、チームプレイなんだよね。自分の指名客を楽しませるためには、周りのスタッフの盛り上げが重要。乾杯コールだったりヘルプだったり。ホスト仲間や裏方さんに嫌われたら売れ子にはなれない。それに新人の頃は指名客もいないから先輩のヘルプでお客のつかみ方を教えてもらったりね……売れっ子になるマニュアルはないから、現場で学んでいくしかない」
――先輩ホストから可愛がられるのも成功への近道なんですね。
「先輩に気に入ってもらえれば、メシもおごってくれるしスーツもくれるし、金のない時期を生き残るサバイバル術(笑)」
――芸人さんみたい(笑)新人ホストは助かりますね。
「そして、いくら自分が売れっ子になっても、自分のフォローをしてくれる後輩ホストや仲間がいないと成り立たない商売だから、自分がしてもらったことは後輩や仲間に返していく」
――店の仲間ともうまく付き合っていかないとカリスマホストにはなれない?
「新人ホストは“寮”が用意されていて他のホストと共同生活をするケースが多いんだけど、そのなかでチームプレイが磨かれたり……ほんと見た目より気配りのほうが大切」
■田島さんは一体いくら稼いでたのか?
――田島さんがホスト時代に一番稼いだ金額は?
「月収1千万円!と言いたいところだけど(笑)、26歳の時に700万円稼いだのが最高月収」
――月収700万円!余裕で私の年収を超えてるんですけど……
「700万といっても、売上1千200万円だから、“太客”が2人いて、バースデーがあればイケちゃうよ(笑)」
――年収は一体いくらになっちゃうんだろう?
「いやいや、そんな売上は毎月出せない。でもね、毎日お店に来て100万使っていく太客もいたな~」
――毎日100万円使うんですか?
「彼女が指名してるホストの出勤日は必ず来店して、毎回“札束ポーン”って」
――一体何をしてる女性なんだろう?
「正体不明(笑)でもそんなお客をつかんだら“月収1千万円”は余裕だよ」
■まとめ
夜の街を華麗に立ち回るホストの世界。
一見、水商売の女性を相手にした華やかな業界だと思われるが……その実は、学歴や経歴、資格は一切の効果がない、己の腕一本でのし上がるハイリスクハイリターンの厳しい現場。
だが、ハングリー精神と周りへの気配りを忘れずに、コツコツと努力を重ねていけば……いつかは運が味方をしてくれるかも?
現実に、月間売上1億円はいかないが、月間売上1千万円クラスのカリスマホストは珍しくない。
当然、そのレベルの売上だとバック率は50%以上となり、月収は500万円を超える世界なのである。まさしく、学歴も資格も関係なく男が稼げる仕事のナンバーワンだろう。
アナタに“太客”をつかめる強運があれば、“月収1千万円”が実現する世界なのである。


