■キャバクラで働く男性は、黒服やボーイだけではない。
キャバクラで働く男性スタッフ、と言われて皆さんが思い浮かべるのは…。
お客様の案内(エスコート)や店内フロアで接客などの業務を行う“黒服”や“ボーイ”と呼ばれる男性スタッフのことではないでしょうか?
しかし、キャバクラではこのような業務にあたるスタッフの他にも様々な職種のスタッフが勤務しています。
その一つが“キッチンスタッフ”です。
“キッチンスタッフ”とは文字通り、キッチン(厨房)で働く従業員のことで、基本的にお店のバックヤードで働いていることから、お客様の目には入らない目立たない存在と言えますが、店舗が日々営業していく上で“なくてはならない存在”なのです。
今回は、そんなキッチンスタッフの仕事について解説します。
■キッチンスタッフの仕事内容は…。
- 【1】ドリンクやフード、飲食物を作ること
キッチンスタッフがの基本業務は、お客様やキャストに提供するドリンクやフードを作ることです。
こう言うと経験が必要な難しい仕事のように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
ドリンクは生ビールを注いだり、お酒を炭酸水やジュースで割ったりといった“単純なメニュー”がほとんどで、カクテルの注文も“カシスオレンジ”などのお酒をソフトドリンクで割る程度のものがほとんどです。
フードの方も、調理が難しい手の込んだ料理などは“外注(出前)”をすることが多く、フルーツや乾き物(ナッツ類など)をお皿に盛ったり、ポテトや唐揚げといった冷凍食品をレンジでチンするくらいの簡単な作業です。
【2】グラスやお皿を洗浄する
そしてもう一つの大切な仕事、それは使用済みのグラスやお皿、アイスペール、灰皿などを洗うことです。
居酒屋など他のお酒を出す飲食店と同様に、キャバクラでも大量の洗い物が出てきます。
しかもキャバクラは“大人達の集う社交場”です。
その“高級なイメージ”を崩さぬようグラスなどはピカピカにしなければなりません。加えてキャバクラでは、“シャンパングラス”など、ガラスの薄く精巧なクリスタルガラス製のグラスが多く使われています。
普通のガラスグラスよりも傷つきやすいので取り扱いにも注意が必要です。【3】その他、在庫管理や備品管理・接客スタッフのヘルプ
その他、キッチンスタッフの仕事は、ドリンク・フードなどの在庫管理や電子レンジや冷蔵庫、食器洗い機などの備品が正常に稼働しているかのチェックなどもあります。そして、当然ですがキッチンは飲食物を扱う場所ですので、常に“清潔さ”をキープするようにしなければなりません。
“清掃業務”も基本的な仕事になります。また営業中にフロアが混雑して接客スタッフ(ボーイ)の手が回らない時は、キッチンスタッフも接客を行うことがあります。
しかしそれはあくまでもヘルプとしての意味合いで、機会的にそう多くはありません。 ■キャストのドリンク作りには注意が必要!
- キッチンスタッフの基本業務であるドリンク作りですが、キャストのドリンクを作る際は注意が必要です。
というのも、キャストは時給などの通常のお給料とは別に、“ドリンクバック”というお客様からドリンクをご馳走になり、そのドリンク代の“歩合”がバックされているのです。
ですから、キャストは勤務中に多量のドリンクを飲むことになります。しかし、中には“お酒が弱い”キャストや二日酔いで“体調の悪い”キャストもいます。
そこにキッチンスタッフが気遣いなく、通り一遍に通常の濃度のアルコールを出していると、キャストがお酒で潰れてしまい、お店の営業にとって大きな打撃となってしまいます。基本的には“キャストのお酒は薄めに作る”と覚えておきましょう。
キャストが飲むカクテルに入れるお酒の量は少なめにする、もしくはお酒を入れないといった、キャストに応じたキメ細かい対応がキッチンスタッフには求められます。
■キッチンスタッフに向いている人とは?
- キッチンスタッフの仕事を始めるにあたって、“調理師免許”は不要です。
また特別な技術や資格、職歴などは必要とされず、BARやレストランでの勤務経験も問われない“未経験の方でも可能”な仕事です。
強いて挙げれば、『自炊している』、『調理が苦にならない』といった人の方が仕事にスムーズに入れるので向いていると言えるでしょう。また“年齢不問”で募集している店舗も多いですが、基本的に“立ち仕事”となるのである程度の体力は必要になるでしょう。
キッチンスタッフの仕事は接客スタッフ(ボーイ)と違い、お客様と接することが少ないので、『ナイトワークで働いてみたいけど接客はちょっと自信がない…』 という人にもおススメです。
■キッチンスタッフに要求されることは?
- 先にも述べましたが、キャバクラのキッチンスタッフが担当する飲食物の提供業務では、難しいドリンクやフードを作る技術は要求されません。
むしろ、“ドリンクを素早く作る”スピード感や、“フードを豪華に盛り付ける”センスが問われます。
キャバクラは“1時間8千円”など、時間を区切ってサービス料金を設定しています。
ですから、ドリンクやフードを早く提供することは店舗の売上にとっても非常に重要なポイントとなります。
せっかくお客様が注文してくれたのに、ドリンクの提供が遅くなったら“場”も白けてしまいます。また、フードについても、例えレンジでチンしただけのモノでも華やかに盛り付けて“高級感”を醸し出すようにしましょう。
一箱100円で売られているお菓子がキャバクラでは1000円以上の値段がつけられているのです。
キッチンスタッフの“盛り付けセンス”、“映え”テクニックが問われる場面といえるでしょう。 ■キッチンスタッフの給料や勤務時間は?
- 気になるキッチンスタッフの給料の相場については…。正社員:月給25万円~28万円
アルバイト:時給1,200円~1,500円このような月給や時給で募集している店舗が多くなっています。
他のナイトワークの職種と同様に“高水準”といえます。基本的には未経験の方でも可能な仕事ですが、調理師の資格を持っていたり飲食店での経験がある場合は、給料が優遇される場合もあります。
勤務時間については、他の店舗スタッフと同様に、開店1~2時間前から閉店の1~2時間後までといったパターンが一般的で、概ね“7~9時間”といったところです。
また、シフト時間の融通が利くので、学生やフリーター、Wワークの人も多いです。