キャバクラ・男性スタッフの営業テクニック!「付け回し」とは?
キャバクラが繁盛するためには何が必要か?
大方の人はこう答えるはずだ。
「綺麗どころのキャバ嬢を揃えればいいだろう」
そう、キャバクラにとって女性キャストは何よりも重要な存在である。
現に、人気店にはレベルの高い女の子が多数在籍している。
しかし、キャバクラはハイレベルの女性キャストを集めただけで繁盛するとは限らない。
そのキャストを活かすも殺すも、男性スタッフ(ボーイ)の“付け回し”次第と言われている。
この“付け回し”のテクニック如何で、お店の“売上アップ”につながることもあれば、せっかく集めた可愛い女の子達が“宝の持ち腐れ”になってしまうこともあるからだ。
今回はそんなキャバクラのボーイの仕事“付け回し”について解説したい。
1.“付け回し”とは、どんな仕事なのか?
- キャバクラの男性スタッフが行う“付け回し”とは…、
女性キャストをどのお客様のテーブルに付けるかを決定して指示を出す仕事である。・付け…女の子が接客する(付く)席を決める。
・回し…接客中の女の子を移動(回す)させる。ただし、待機しているキャストをお客様に順番で付けるような単純な仕事ではない。
もう少し詳しく言うと、付け回しの仕事とは…、
お客様が“フリー”か“本指名”なのかを把握した上で、“1セット”の時間内で女の子を回しつつ(フリーの場合は15分から20分ごと)、お店の売上アップにつながる“場内指名”や“延長”を獲得するための重要な仕事なのだ。 2.キャバクラの業界用語について…。
- 先程の説明でも、“フリー”や“本指名”といったキャバクラ業界特有のワードを用いたが、ここでその用語を解説しておきたい。
【フリー】
お客様が女性キャストを“指名”することなく飲んでいる状態のことを、キャバクラでは“フリー”と言う。【本指名】
お客様が入店時に女性キャストを指名することを“本指名”と言う。
その際は“本指名料”が発生する。
基本的には、前回の来店時に場内指名したお気に入りの女の子を、次に本指名する場合が多い。【1セット(ワンセット)】
キャバクラは時間制の料金システムとなっていて、“1セット60分○○○○円”といった形で表現される。
このセット料金にはハウスボトル代や氷代等が含まれている場合が多い。【場内指名】
フリーのお客様が、その時に接客した女の子をその場で指名することを“場内指名”と言う。
その際には“場内指名料”が発生する。【延長】
1セットの終了前にボーイが時間“延長”の確認を行う。
そこで延長を選択すると、延長料金が追加される。
お客様が終了の意思表示を行うまで時間延長される“自動延長”システムのお店もある。 3.付け回しのテクニック・最適の“マッチング”で売上アップ!
- ●テクニックその①…女の子のキャラクターや人気度など特徴をしっかり把握すべし!
一口に女性キャストと言っても、そのタイプは千差万別だ。
例えば、ルックスであれば、清楚系、ギャル系、お姉様系、セクシー系…といったタイプに分かれるし、性格面であれば、明るい系、おしとやか系、甘え系、S系…などといった具合に多種多様である。
付け回しを行う者は、まずは女性キャストそれぞれの個性や特徴をしっかり把握しておく必要がある。●テクニックその②…お客様を観察して好みを判断すべし!
お客様がフリーの場合、その方の年齢や服装などの容姿や雰囲気から女の子の好みを瞬時に判断し、女性キャストの特徴と“マッチング”して付け回しを行う。さらに、女性キャストが接客している時のお客様の様子もしっかりチェックする。
お客様の笑顔が弾けている、女の子の方に身を乗り出して話している、お酒のペースが早い…。
このような場合は、お客様が接客しているキャストに満足しているサインだ。
そんな時は“あえて”キャストをその席から早めに別の席へ移動させるのも一つの手法だ。
お客様はその女の子と『もっと話しをしたい』と思って“場内指名”が取れる可能性が高まる。また、女性キャストがお客様にドリンクをもらっている場合も、お客様が満足していることを示すサインの一つであろう。
その際は、ドリンクをもらった直後に女の子を席から外してしまうと、お客様を不快にさせてしまうので少なくとも数分間はそのまま接客を続けるべきである。逆に、お客様がつまらなそうな顔をしている、話しが盛り上がっていない…、など満足していないサインを出している場合も要チェックである。
これは女の子のタイプが合っていなかったということなので、次に接客させるキャストは、清楚系から明るい系の女の子へチェンジするなど、別のタイプを付ける工夫も必要になる。●テクニックその③…“お金の匂い”を嗅ぎ分けるべし!
常にフロアを見渡し、どのお客さんが最も“お金の匂い”がするかをチェックしながら付け回しを行う。例えば、フリーのお客様が複数いる場合、最もお金を使ってくれそうなお客様に、指名が取れる可能性の高い実力のある人気キャストを優先的に付けていく方法がある。
それにより、場内指名を獲得できる確率が上がるのはもちろんのこと、今後“本指名”で来店して、“太客”(ふときゃく=多額のお金をお店に使ってくれるお客さん)に化ける可能性が高いからだ。また、団体客の場合は、社長や上司といったその団体の“リーダー”と見られるお客様に人気女性キャストを付けるのが重要である。
リーダーが楽しい時間を過ごせばその団体が“延長”を選択する可能性が高まる。
さらに団体の中でも最も“お金の匂い”がするリーダーは、今後“太客化”する可能性が高いからだ。このように、付け回しを行うスタッフは売上が最大化するにはどのようなマッチングが最適か見極めることが必要なのだ。
●テクニックその④…指名が被っているお客様はしっかりケアすべし!
人気がある女性キャストの場合、複数のお客様からの指名がその女の子に被ってしまうことも珍しくない。
自分が指名したお気に入りのキャストが、近くのテーブルで別のお客様と盛り上がっているのを見て気分が良い人はいない。
そのため、女の子の指名が重複しているお客様のテーブルを離したり、お互いが目に入らないような配慮をしなければならない。さらに、自分の指名した女性キャストが他の席で接客している間、そのお客様のテンションを下げないために“ヘルプ”としてどの女性キャストを選ぶかも重要な問題だ。
※ヘルプ…指名されたキャストの代わりとして接客をすること。特に、指名が複数被っている人気キャストの場合は、おのずと1テーブル当たりの接客時間は短くなってしまうため、ヘルプ選びを失敗すると、お客様が気分を損ねて帰ってしまうという最悪の事態になりかねない。
ヘルプにはトーク力があって場を盛り上げるのが上手な女の子を付け回しするなどの工夫をして、お客様を退屈させないようにすることが大事だ。
●テクニックその⑤…終了時間前に“お気に入り”の女の子を回して延長に繋げるべし!
キャバクラは時間制の料金システムのため、お客様から“延長”を獲得することが売上アップに直結する。
そのため、セット時間の終了前には、お客様の元に指名されたキャストを戻して“延長トーク”をさせるのはもちろんのこと、フリーのお客様に対しては、それまで付けた中で“お気に入り”の女の子や人気キャストを席に付けておく。
そんなマッチングを行った上で延長の声掛けを行えば、延長に加えて“場内指名”を獲得するチャンスも出てくるのである。 4.まとめ
- ここまで、キャバクラにおける男性スタッフの“付け回し”業務が、如何にお店の命運を握っているのか分かっていただけたと思う。
女性キャストの特徴、お客様の好み、さらにはお金の匂いまで嗅ぎ分けて絶妙のマッチングを行い、場内指名や時間延長を獲得し、さらにはその後の本指名や太客化にも結び付けていく。
“デキる”付け回し担当は、日々そんな仕事をこなしながらお店の売上アップに貢献しているのである。当然だが、付け回しの仕事は、幹部スタッフや店長といった管理職ポジションの者が担当する場合が多い。
時には、お触りしてくるお客さん、セクハラばかりのお客さん…など、態度の悪いお客さんの席にも女性キャストを付けなければならない。
女の子に頼りにされる役回りである反面、クレームを付けられたり嫌われたりする大変な仕事でもあるのだ。よって、付け回しの担当になるまでには、女の子とのコミュニケーションなど、ボーイとして様々な経験を積む必要がある。
お店が繁盛するかはこの“付け回し”次第、そのやりがいは何物にも代えがたい。
ぜひチャレンジしてみてほしい。