■風俗業界では男性スタッフが不足している!
令和となった現在でも、風俗業界では慢性的な人手不足の状態が続いています。
特に20代の若年層の男性スタッフが集まらずに苦労している風俗店は多いです。
そのため、各店舗はスタッフ募集の際に高額な給料はもとより、さまざまな高待遇をアピールしています。
・入店お祝い金10万円支給
・ワンルームマンション寮完備
・食事2回つき
・スーツ代支給
このように、求人サイト『ドカント』では、他の業界にはない風俗業界独特の高待遇なスタッフ募集を掲載しています。
なかでも、風俗業界の待遇を語るうえで欠かせないのが、寮の存在です。
■風俗業界は寮完備の求人が多い
- 男女問わず貧困に苦しむ人々にとって、風俗業界は最悪の事態に陥らないためのセーフティネット(救済網)の役割を果たしてきたといわれます。
さまざまな事情で最低限の生活基盤、“衣・食・住”を失った人々を風俗業界は受け入れてきた歴史があります。なかでも、人間が安定した生活を送るうえで必要不可欠なものは、住居です。
しかし、部屋を借りるのにも敷金や礼金などのお金が必要であったり、保証人を用意しなければならなかったりと、困窮者にとっては容易ではありません。『リストラに遭い家賃が払えなくなってアパートを追い出されてしまった……』
『今はネットカフェやファストフード店で夜を明かして日雇いアルバイトでしのいでいる……』
このような境遇に追い込まれた方々のニュースを目にすることも多いですが、一般企業では、住居がない(住所不定)人は、仕事を求めても面接すらしてもらえない現実があります。
しかし、風俗業界では、“働く気持ち”さえあれば、たとえ住居を持たない人でも寮を提供して雇用をしてきました。とかく色眼鏡で見られがちな風俗業界……
昔から就職先として人気のある業界とはいえません。
さまざまな事情を抱えた男女が流れ着く業界だった、ともいえるでしょう。
それゆえ……
『ウチの店で働くなら衣食住の面倒は見ます!』
といった気持ちが雇用者側にあったのではないでしょうか。即入寮可能(すぐに寮に入れる)と待遇にある風俗店もあり、働くその日から寮を利用できる店舗も多いです。
また、家具家電一式が完備された寮も多く、まさに“体ひとつ”で仕事を始められます。しかし寮というと、一つの部屋で大人数が共同生活する、いわゆる“タコ部屋”を想像する方もいるのではないでしょうか……
そこで今回は、風俗店でスタッフに提供される寮について実態を探ってみようと思います。
■風俗店の寮の実態は?
- 風俗店の寮は、学生寮や社員寮のように入居者が物件の管理会社と賃貸契約を交わさず、お店側が賃貸マンションやアパートを会社名義で借り上げている場合が一般的です。
『7、8畳のワンルームマンションの一室に二段ベッドが複数置かれ、そこで4、5人の若者たちが共同生活をしている……』
このような光景を、ホストクラブのスタッフに密着したTVのドキュメント番組で見た方も多いのではないでしょうか。最近では少なくなりましたが、風俗店の寮でも2、3人のスタッフで一つの部屋をシェアするタイプもあります。
この“ルームシェア型”(悪くいえば“タコ部屋”)の寮の場合は、寮費は無料、もしくは1日千円~数千円など安価なケースが多いです。また、2LDKや3DKなど、複数の部屋がある広めの物件の場合は、バス・トイレ・キッチンなどは共用になりますが、部屋は一室ごとに個室で利用でき、ある程度のプライバシーが守られるようになっています。
もちろん“一人一部屋ワンルーム型”の寮もあります。
一般的なワンルームマンションと同様なので単身で生活ができます。近年ではこちらのタイプが主流です。 ■寮を利用する「メリット」
- 寮に入居するメリットは数多くあります。
●即入寮が可能な場合が多くすぐに住居を確保できる!
前述のように、一般企業は住所不定の人を雇用しません。
ですから、普通は仕事を探す前に住む家が必要になります。
しかし、そもそもお金がなくて住居を失った人がほとんどなので、敷金や礼金などの初期費用の工面は難しく、そのうえ無職の状態で部屋を借りることは入居審査でも不利になります。対して、風俗店では即入寮が可能な場合が多く、しかも、お店が物件を借り上げているので初期費用ゼロで入居審査もありません。
●寮費(家賃)が安い!
ルームシェア型の寮ではなく、ワンルーム個室型の寮を利用した際は、寮費(家賃)を支払うことになり給料から天引きされます。
その金額は、近隣の同等なマンションの家賃に比べて、格安な場合がほとんどです。
エリアや物件によって寮費もまちまちですが、都内ですと寮費3万~5万円が一般的です。また都内の風俗店は、新宿や池袋、渋谷などの繁華街に店舗が多いので、その周辺のマンション家賃も高額になります。
ワンルームマンションの家賃相場は、7万~10万円ほどの金額になるため、およそ相場の半額程度の家賃で住居を確保できます。しかも、人手不足の状況もあり、お店によっては求職者を惹きつけるために寮費無料の特典を設けているケースも増えてます。
●家具や家電が完備 水道や光熱費が無料のケースも!
風俗店の寮には、TVや冷蔵庫、エアコンや洗濯機などの家具家電や、ベッドなどの寝具まで用意されている場合が多いので、入寮したその日から快適な生活ができます。
もちろん、Wi-Fiなどインターネットの接続環境も整っています。
また、水道代や光熱費をお店が負担するケースも多く、入寮者の金銭的負担が軽減されます。●職場が近い!
お店へ出勤しやすいように、寮は職場の近くにあります。
通勤に時間や交通費がかからないのも寮を利用するメリットの一つです。 ■寮を利用する「デメリット」
- 寮生活にはメリットが多い反面、デメリットもあります。
●寮によっては共同生活になる場合も……
ワンルーム個室型の寮では問題がありませんが、ルームシェア型の寮は、部屋のなかではプライバシーは守られるものの、キッチンやリビングなど共用スペースでは上司や同僚と顔を合わせることになります。そこでの人間関係、特に気の合わない同居人がいると、大きな精神的負担(ストレス)になります。
●勤務日数に前提条件を付けられるケースも……
面接の際に入寮を希望すると、“月に○日以上勤務”、“1日に○時間以上勤務”などの勤務条件が提示される場合があります。とはいえ、風俗店も現在では週休2日制や8時間勤務など労働環境の改善が進んでいるため、条件的に問題があるケースは少なくなっていますが、勤務条件を提示された場合は、自分のキャパシティーを考慮して判断しましょう。