フリーターが、高収入‟日雇いバイト”を体験レポート!
■極度の金欠…すぐに稼げる仕事を求めて…。
- いやぁ金がない…それにしても金がない…。
フーテン稼業のこのオレが金欠状態なのはいつのもことだが、このところ“その場しのぎ”のバイトすらしていなかったから、財布の中は完全に空っぽ。『日雇いで美味しいバイトはないかな~』
なんてゲームをしながら考えていると、高校時代の友人“ヤスオ”の顔が思い浮かんだ。「今は定職を持たずに“日雇いバイト”で食いつないでいる」
前に高校の仲間で集まった時、ヤスオはこう言っていた。そうだアイツに連絡してみよう!
『良い感じの“日雇いバイト”ない?』
オレはさっそくヤスオにLINEを入れた。すぐに親指を突き出したメッチャ笑顔の“OKスタンプ”が返って来た。
『よっしゃ、これで貧困から脱出だ』と独りごち、ヤスオと夕方新宿のスタバで会うことにした。 ■日雇いアルバイト稼業の“師匠”、ヤスオ。
- 待ち合わせのスタバに行くと、ヤスオはすでに着いていた。
彼は高校時代からロックバンドの活動を続けている。
トレードマークの“金髪&ロン毛”はそのままだ。
ただ、以前は“ガリガリ体形”だったのだが、久々に会ってみると何だか“マッチョ”な体つきになっていて、顔つきも心なしか精悍な感じになっていた。「良いバイトがあったら紹介してよ」
挨拶もそこそこにオレは本題を切り出した。「じゃあ俺と一緒に働けばいいじゃん。 日雇いで高収入なバイトだから」
おお、それは心強い。
ここは日雇いバイトのスペシャリスト、‟ヤスオ師匠”に弟子入りすることにしよう。 ■日雇いで“高時給”かつ“高日給”な求人、その内容は?
- しかし高収入の日雇いバイトって、どんな仕事なのだろう。
ヤスオはこんな風に教えてくれた。「日雇いで高収入なバイトといえば…資材搬入の軽作業や、倉庫や工場の仕分け作業、イベント設営スタッフや交通量調査、深夜の警備員…とかだな。 求人サイトで時給や日給を高めに設定して“1日以内”とか“日払い”で検索したら、そんな仕事がズラッと出てくるよ」
そう言われ、求人サイトを検索してみると、確かにヤスオが言ったような仕事を始めとする求人情報がズラリと並んでいた。
「へぇ~日雇いバイトも色んな求人があるんだな…オススメの仕事はどれなの?」
「やっぱり“資材搬入”の仕事だね」
■“資材搬入”のアルバイト、その仕事内容は?
- 「資材搬入? それってどんな仕事?」
ヤスオは次のように説明してくれた。“資材搬入”とは…それぞれの“現場”に必要な“資材や機材を運ぶ”仕事である。
例えば、建築現場には木材、床材、壁材、それに足場用の鉄ハイプなどを運ぶ。
また、コンサート会場やイベント会場には、舞台装置、演出装置、ディスプレイなどを運ぶ。
このように“現場”によって搬入するものは異なってくる。
「現場によって運ぶ物が違うから仕事のキツさも変わるよ」「何故、数あるバイトの中で“資材搬入”をメインにしてるの?」
「そりゃあ面倒なく稼げるからだね。体力勝負の仕事だけど…」そう言って、ヤスオは右手を上げて力瘤を作って見せた。
なるほど、マッチョになっていたのは、この仕事のおかげだったのか。
最近はゴロゴロと惰眠を貪っていたこのオレに、体力勝負の仕事が務まるのだろうか…。 ■その日のうちに“面接”&“登録”へ!
- 「じゃあ早速電話して“面接”に行こうか?」
「えっ?これから?履歴書とか何も持ってないし…」「大丈夫、俺が登録してる会社は“履歴書不要”だから。 電話してその日に面接と登録が可能なんだよ」
この仕事は登録制で、面接とはいっても仕事の説明を聞く程度…とのこと。
後はメールやLINEで送られてくる仕事の案件を見て、働く現場を決めれば良いらしい。オレは早速その会社へ電話を入れて、面接地である新宿の事務所で簡単な面接と登録を行い、普通にその場で“採用”となった。
そしてオレは仕事を紹介してもらったうえに、東中野のヤスオのアパートに泊まらせてもらった。
何とも厚かましい話しである…。 ■いざ“資材搬入”のアルバイトへ!
- そして翌日の朝、オレとヤスオはこの日の勤務地である新宿近辺の現場に向かった。
オレは初日なので、8時~17時までの9時間・1現場を選択した。
ヤスオはその後にもう1現場を回って、1日2現場の仕事をこなすという。仕事時の服装については、動きやすい服であれば特に規定はない。
この日はヤスオが作業着っぽい服を貸してくれた。ヘルメットは現場で貸してくれるという。現場はマンションの建築現場だった。
仕事は午前8時からスタート。
まずは、スタッフ皆でラジオ体操をした後に作業がスタートする。
オレたちの業務は、建設途中の6階建てマンションの階上に様々な資材を運ぶことだった。
作業は1チーム4~5人に分かれて行う。チームのリーダー格である年長のスタッフが、仕事の流れや道具の使い方、また運ぶ資材の最適な持ち方や運び方などをレクチャーしてくれた。
ちなみに、資材搬入の仕事、この業界では“荷揚げ”(にあげ)というらしい。
■資材には重いものも…かなり辛い場面もあり!
- チームの人達も不慣れなオレを色々とフォローしてくれた。
しかし、それでも資材搬入=荷揚げの仕事は中々にキツイものだった。
まずは運ぶ資材が、物によってはかなり重いのである。
リーダーが教えてくれた持ち方で運ぶと少しは楽にはなるのだが、それでもやはり重いものは重い!また、足場が悪いところが多くそれが疲労を倍増させる。
そして何より辛いのが、エレベーターがまだ稼働しておらず、1階から6階まで階段を昇って資材を運ばないといけないことだった。2時間ごとに15分の小休憩があるのだが、それが待ち遠しくて仕方がない。
そしてやっと午前の仕事(4時間)が終了。
昼休憩になった途端、オレは電池が切れたようにしゃがみ込んだ。そんな姿を見てヤスオが笑いながら言った。
「弁当買いに行こうぜ。食わねえと続かねぇぞ」
確かにその通りだ。オレは這うようにコンビニまで行って弁当を買い掻っ込んだ。「この現場はエレベーターが使えねぇから結構辛いけど、そのうち体が慣れてくるから頑張れよ」
■体が鍛えられてる&煩わしい人間関係もなし!
- そして13時から仕事再開。
午前中はこの仕事をやり遂げられるか不安だったが、昼休憩の1時間で体力が復活したのか、午後は思ったよりも苦ではなくなってきた。そうなると精神的にもポジティブになるもので『この仕事も体が鍛えられていいな~』とか思う余裕も出てきた。
また日雇いということもあって、職場の煩わしい人間関係が無いのも良い。オレは黙々と仕事をこなし、何とか17時の終業まで乗り切った。
■“資材搬入”の日雇いアルバイト、その給料額は?
- 「お疲れ!会社に行って給料貰ってきなよ」
ヤスオは、もう1現場回る(驚愕!)ので、ここで一旦別れることになる。オレたちが登録している会社は希望者には給料の日払いが可能なので、仕事の後に事務所に行けば日給が貰える。
オレは事務所に寄って日払い給料をゲット!そのままヤスオのアパートに戻った。やはり相当疲れていたらしい。アパートに戻った途端オレは猛烈な睡魔に襲われ、ヤスオのベットに倒れこむようにして眠った。
爆睡すること数時間…。玄関のドアが開く音で目が覚めた。
暗い部屋の中、ヤスオがソロリと入って来てオレの隣にドサッと倒れこむ。
そしてほぼ同時に寝息が聞こえてきた。スマホで時間を確認すると夜の11時。
日雇いバイトの“師匠”ヤスオとはいえ、朝から夜遅くまでの肉体労働…そりゃハンパない疲労感だろう。Respect!それに比べたらオレなんて随分とお気楽なものだ…。
- 【この日の日雇いバイト(資材搬入・荷揚げ)の給料】
- オレ……1現場(8時~17時)8,500円
ヤスオ…2現場(8時~17時+18時~22時)13,500円
※交通費は面接した事務所から現場までの金額が支給される。
※今回は事務所・現場とも新宿だったため支給なし。
■日雇いの仕事の魅力とは?
- 翌日、一緒に中華屋でメシを食っている時にヤスオに聞いた。
「なんで日雇いの仕事をメインにしてんの? 昨日みたいな肉体労働よりも楽なバイトは他にもあるだろ?」
「ああ、それは今の俺にはバンドが一番大事だからだよ。そのための時間が最優先なんだよ」「好きな時間に働けるシフト制のバイトだって他にもあるでしょ?」
「いや、飲食系とか夜の仕事とかもやったことがあるんだけど、求人情報で『シフト自由』やら『好きな時間でOK』みたいなことが書いてあっても、なかなか希望が通らなかったりするんだよな」「そんなに自由も利かないってことか…」
「その点、今の日雇いバイトは、バンドの予定が決まってから空いた曜日と時間を埋めるように仕事が出来るから都合がいいんだよ」「確かに、結構ハードな仕事だけど給料も良いしね」
「後は…、金髪ロン毛、ヒゲ、ピアスだね(笑)。 こういうのにうるさい会社って結構あるんだよ。 求人情報には何も書いてないのに『ウチはロン毛・ピアスはNGです』とかさ。 そんなこと、日雇いの現場仕事だと一切言われないから」なるほど。バンドマンや芸人、役者なんかの夢を追いかけている人間にとっては、うってつけの仕事という訳か…。
確かに、登録会社から送られてくる仕事の中から自分で好きな仕事を選択するのだから、自分の時間は優先されるはずだ。バンドの練習に向かったヤスオと別れ、オレはアパートに戻った。
改めてその部屋を見渡してみると、壁際にはギターやアンプ、音響機材などが所狭しと並べられている。
あぁ、ヤスオは夢に向かって懸命に頑張っているんだ…と羨ましいような、焦ってくるような、言葉にできない複雑な気持ちになった。 ■ 資材搬入のアルバイト【プラス面とマイナス面】
- 【プラス面】
- 高日給を稼ぐことが可能
- 肉体労働ということで給料はもともと高めである。
さらに1日に2現場、3現場とこなせば‟日給2万円以上”も夢ではない。 - スグ働ける。現金日払いも可能
- 今回のように‟応募→当日面接→翌日勤務”が可能である。
場合によっては当日勤務も可能。
また給料の日払いが可能な会社も多いので、すぐに稼いで現金が欲しい場合にも適応。 - 勤務日・勤務時間を自由に設定できる
- 単発勤務~レギュラー勤務まで、稼ぎたい金額に応じて勤務日が選べる。
また、日勤・夜勤等、様々な時間帯で仕事があるので自分のスケジュールに合わせて、好きな時間に仕事をすることが出来る。 - 服装・髪型等自由
- 服装に関する規定はなく動きやすい服であればOK。
作業服やヘルメットなどをレンタルしてくれる会社もあり。
(ただしレンタル代を給料から天引きされる場合もあるので確認が必要)
- 【マイナス面】
- 最低限の体力が必要
- 資材を運び続ける肉体労働で、現場によっては相当に重い資材を運ぶケースもある。
よって最低限の体力は必要となるだろう。 - 事故に対する注意が必要
- 重い資材を運ぶケースや、現場が建築現場、工事現場という環境面からも、事故に遭う可能性が万が一にもないとは言えない。
念のため、面接の際に‟労災”(労働災害)などのチェックもしておきたい。
高収入が可能な、資材搬入(荷揚げ)のバイト。
ただし、より高収入を得るためには複数の現場をこなす必要もある。
そうすると、「最低限の体力」というハードルが上がってしまう。
それでも日払いが可能で、すぐに稼げるのは大きな魅力。
体力に自信のある人、筋トレがてら仕事をしたい、なんて人にはオススメの仕事である。
≪ライター≫フリーター虎次郎
東京生まれの東京育ち、30歳に手が届く年齢となりながら、今もって実家に寄生中の親不孝者です。学生時代からアルバイトに明け暮れ、今なお定職につかずにフリーター稼業の身の上。(両親からはニート野郎と罵られてます……)
肉体労働からオフィスワーク、早朝の新聞配りから深夜の水商売まで……これまで経験した仕事の数は60職を超えました。むろん、仕事の数が多けりゃよいというもんじゃありません。何をやっても長続きしない性分がわざわいし、1日でとんだアルバイトも数知れず、こんな不甲斐ない顛末となっております。
このたびは縁あって男の高収入情報「ドカント」からアルバイトの体験談の執筆を仰せつかりました。
こんなお粗末な経験がどなたかのご参考になればと……
不肖、虎次郎。ひとつよろしくお頼みします。
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