福岡の風俗店で働きたい男性に独特の風俗事情を解説!

【男の“夜職”相談室】
福岡の風俗店で働きたいのですが…。(24歳男性)前編

男の“夜職=ナイトワーク”専門のQ&Aサイト

ここは新宿歌舞伎町、繁華街の裏通りにある古いビル。
怪しげなスナックやマッサージ店が入り乱れるこのビルの一室に「男の夜職相談室」はある。
といっても、ドアに表札などは一切掲げられていない。
「男の夜職相談室」とは、運営しているホームページのタイトルで、ここはその事務所。
そのホームページには、様々な境遇の男性達から、
風俗やキャバクラ、ホスト業界といった「夜職=ナイトワーク」についての質問や相談が送られてくる。
それに答えるのは、この相談室の“オーナー”である。
そのオーナーとは、小柄でガングロ、首元には金のネックレスをジャラジャラと鳴らしている、極めて怪しい風体の爺さんなのである。
過去の経歴は一切不明。聞いたところで何も教えてはくれない。
このオーナー、そんな胡散臭さとは裏腹に、持ち込まれた質問や相談事には、時に優しく、時に厳しく、返答をする“だけ”。
相談料の類は一切取ることはない…。
サイトの運営費や事務所の家賃、唯一のスタッフである私のバイト代等、諸々の経費はそれなりの金額になるはずだが…。一体どうやって賄っているのであろう。
そんなオーナーの財力を考えると、ひょっとするとこの爺さん、ナイト業界では“伝説の男”とか“フィクサー”とか呼ばれていたのかも知れない…。
まあ、しかし私としては、出社してホームページに送られてくる質問や相談事を整理するだけで、最低賃金の2倍近くの時給が貰えるのだから、この爺さんが何者だろうと全く関係はないのである。

相談のメールには“福岡”の文字が…。

「ヒマ過ぎる…」
大きなため息をつき席に戻りパソコンを操作していると“男の夜職相談室”に一通の“相談メール”が届いていることに気付いた。
久々の“仕事”なのだが、その内容を一瞥することもなくプリントアウトする。
「はい仕事完了!」
と言って、オーナーのデスクにある書類ボックスに投げ入れた時に、“福岡”という文字が書面に見えた。

「福岡かぁ…」
そういえば学生の頃、友達のボロ車に乗って九州まで旅行したなぁ。
貧乏旅行だったけれど、中州でパチンコが奇跡の大当たりをして、その金を持って繰り出した博多名物の屋台料理と酒の旨さといったらなかったなぁ。
思えばあの頃は自由だったなぁ…。

どうせ今日もオーナーは来ないだろうし、もう一度あの頃のように自由に生きよう。
自由にパチンコしよう。今日は大当たりしそうな気がする!

私はそう決めて急ぎパソコンの電源を落とし、意気揚々と事務所のドアを開けた。
するとドアの向こうに、小っちゃいオッチャンが立っていた。
「おっ、どうしたんじゃ? どこかに出掛けるのか?」
「いやいや、オーナーの足音がしたんで、出迎えですよぉぉぉ。お疲れっす!」

咄嗟にしては上手く嘘がつけたと思ったが、オーナーには通用しない。
「どうだかのぅ。さしずめ今日もワシは来ないだろうとタカを括って、パチンコ屋にシケこもうと思ったか?」

ぐぬぬ…。と声に出そうになったが何とか堪えクルリンパと話を変える。
「オーナーのいない間に、またいくつか“相談”が来てますよ。書類ボックスに入れてありますから!」

オーナーは「フンッ」と鼻を鳴らしただけで自らの席に鎮座し、書類ボックスに手を伸ばして今しがた届いた“相談”に目を通し始めた。

ご質問・ご相談
【タイトル】
福岡の風俗業界で仕事をしたいんですが、業界のことを色々教えてもらえますか?
お名前:松沢 様
年 齢:24歳
住 所:鹿児島県
【内容】
現在、地元の鹿児島県内に住んでるんですが、一念発起して“福岡”に出てみようかと思ってます。

僕の実家は農業を営んでおり、高校を卒業してからはその手伝いをしてます。
それが嫌という訳ではないんですが、遊びといったらパチンコしかないこんな田舎で埋もれていくのも、ちょっとどうかなと思っています…。

何でこんな風に思うようになったかというと、高校の同級で芸人志望の友達がいて、卒業後にプロを目指して東京に行ったんですけど…。
そいつがインスタに載せてる“東京暮らし”の様子がすごい楽しそうで、キラキラしてるっていうか…。
それを見てるうちに、僕も一度は都会暮らしを味わいたいと思うようになったんです。

とりあえず、東京よりも近場で、九州では一番の都会の“福岡”に行ってみようと…。

親は絶対に反対するんで、最悪、黙って家を飛び出そうかと思ってます。
それで、すぐに“寮”に入れる仕事を探そうと思ってネット検索していたら、高収入求人サイトで風俗店の仕事を見つけました。
そこには多くのお店で“個室寮完備”“即入居OK”などと出ていて、これなら“体一つ”で飛び込めるかなと思ったんです。

ただ、福岡に行ったことが一度しかないので不安があります。
また風俗の体験も、友達と一緒に鹿児島市のソープに行った一回だけで、福岡の風俗業界がどんなものなのか正直見当もつきません。
“中洲”という夜の街があることぐらいは聞いたことがあるのですが…。

そこで、福岡の風俗事情やどのエリアにどんなお店があるのか、また寮には本当に入れるのか、など教えて貰えると助かります。
よろしくお願いします。

「パチンコなんかつまらないから親の反対を押し切ってまで飛び出そうとは、どっかの誰かさんとはエライ違いじゃのう、ハッハッハッ」

「…。で、福岡の風俗事情についても答えられるんですか?」
まったく聞こえていない風を装って問うと、オーナーは自信たっぷりに言った。

「当り前じゃ、場所がどこだろうが、風俗業界のことでワシに答えられん事などないわ。ただし…」
「はい?」

「まず、この質問に答えていく前に、はっきりさせておきたいことがあるんじゃが」
「ん? なんですか?」

「この相談者は“福岡”としか書いてないんじゃが、これが“福岡県”を差しとるのか“福岡市”を差しとるのか、ということじゃ!」
「えっと・・・ どういうことっすか?」

「福岡県には福岡市の他にも、“北九州市”や“久留米市”といった街もあるからのぅ。それらの街の風俗事情も必要なのかという事なんじゃが」
「そこにも風俗街があるんですか?」

「北九州市には“小倉”の船頭町があるじゃろ、中洲と並ぶ福岡の二大ソープランド密集エリアじゃ。久留米といったら“文化街”じゃのう、ここも風情のある大人の風俗街じゃなぁ」
「へー、全然知りませんでした」

「まあしかし、“中洲”という地名も出とるし、キラキラした都会に憧れて、という動機からいってもまず福岡市のことじゃろうな。そういう訳で、今回は福岡市界隈の風俗事情について説明するから、回答の際には、そう補足してくれるかのぅ」

オーナーはそう言うと、福岡県福岡市の風俗事情について語り始めた。

“トクヨク”ってなんだ?

「それではまず、福岡風俗の特徴についてなんじゃが…」
オーナーはそう言って立ち上がると私のデスクに歩み寄り、身を乗り出してパソコンを操作した。

「ほれ、これを見るんじゃ」
その画面には大手の風俗情報サイトの福岡版が表示されていた。
「これを見て、何か気付くことはないか?」
そう言われて、そのページをスクロールしながら眺めてみるが…、福岡市、中洲、博多駅…といった地名以外に、いつも見る東京版と特に変わったところは見受けられない。

私は隣の袖机に腰かけたオーナーの顔を見て、首を傾げてみせた。
するとオーナーは大げさにため息をついてから言った。
「まったく、トロい奴じゃのう…。“業種検索”のところをよーく見てみろ!」
そう言われて“業種で探す”の部分を見ると、ソープランドやデリバリーヘルスといったお馴染みの並びの中に、見慣れぬワードが入っていることに気付いた。

「んっ?トクヨク・ヘルス? この“トクヨク”って、なんすか?」

「やっと気付いたか、これこそが福岡風俗の特徴なんじゃ!」
オーナーは得意げに笑いながら、その“トクヨク”という業種について語り始めた。