【夜の仕事人インタビュー】風俗店デリヘル・男性スタッフの仕事

デリヘルの男性スタッフ(マネージャー職)
【夜の仕事人インタビュー】

■本田真治氏(26歳)の場合。

待ち合わせたダイニングバーに現れた彼は、派手なペンシルストライプの入った細身のスーツを着こなしていた。
クルクルとカールした茶髪を撫でつけ、こんがりと日焼けした甘いマスクに人懐っこいスマイル。
まさに“ギョーカイ”の人って感じだ。

「どうも、本田です!」
そう言って、高そうな名刺入れから、これまた高そうなスケルトンの名刺を差し出してきた。
こちとら、コンビニで買ったアルミ製の名刺入れに厚紙をカラーコピーしたお手製名刺である。

本田真治氏、26歳。

年齢より見た目の方が若く見える。こう言ってはなんだが、まだ少年のような顔つきだ。
しかし彼は、新宿に事務所を構えるデリバリーヘルスで、すでにマネージャーの役職に就いているという。

「自分の話なんて全然面白くないですよ、そんなんで大丈夫っすか?」

■不動産売買の会社に就職…、そこは“ブラック企業”だった…。

本田さんは長野県の田舎町で生まれ育った。
地元の公立高校から、都内の三流大学(本人談)に合格し無事上京に成功する。
そして大学卒業後、“稼げる”と評判だった不動産売買の会社に正社員で就職した。

しかし、そこがハンパない営業会社だった。
朝8時に出社し、夜7時まで、1日に何百本と電話アポを強いられる。
だが、何千万円もする高額な物件を買ってくれる人などそうそう現れない。
結果が出ないと休憩も取れず、上司に呼び出されて怒鳴られる。
当然給料など基本給(月給20万円)から上がるわけがない…。

「もうプレッシャーで、完全に心が病みましたね。ありゃ完全に“ブラック企業”でしたよ…」

そして1年足らずで逃げ出すように退職し、今度は“賃貸”の不動産会社に転職を決めた。

――心が病むほど追い詰められたのに、どうしてまた不動産業界に?
「同じ不動産会社でも、売買と賃貸だと全然違うんですよ。売買だと、営業電話を何百本もかけてコッチから必死にお客さんを探さないといけないんですが、賃貸だと、不動産サイトや店舗に貼ってある物件情報を見て、お客さんの方がやって来てくれるんで…。それだったら自分でもイケるかな、と。実際に働いてみたら、売買に比べて随分と楽でしたね」

──その不動産賃貸の会社で働いていた頃の給料は?
「売買ほどではないですが、賃貸でも歩合給が付くんで、通常期だと30万円台後半、繁忙期になると月給50万円以上は貰ってましたね。自分は対面の接客には自信があるんで、社内でも給料は良い方でしたね」

──20代前半にしては良い給料だね。何故その仕事を続けなかったの?
「え~っと…、まあ、女絡みで続けられなくなりまして…」

■キャバ嬢にハマり、風俗嬢から貢がせ…、ついに会社を…。

――お、女がらみ?不動産屋で?
「その会社って、新宿に店舗を構えてたんすよ。歌舞伎町に近いこともあって、キャバ嬢とか風俗嬢とかが部屋を探しに来るんですよね。また“寮”を借り上げるために、キャバクラや風俗店の幹部っぽい人も来たりして…。新宿の賃貸不動産屋って意外と水商売と縁が深いんですよ。 それで、そういう業界の人達って、自分たちが水商売だから“審査が厳しい”っていう引け目を感じてるんですよね。だから無事に成約すると、結構喜ばれるんですよ」

──なるほど、お部屋探しの救世主って感じか。
「そうやって部屋が決まった女の子って、その後も繋がってると同じ店の女の子を紹介してくれたりするんですよね。 だから、上司や同僚と連れ立って、お礼がてら店に飲みに行ったりするじゃないっすか。それは自分らにとっては営業活動みたいなものなんですけど…。そこでハマっちゃったんですよね、ある女の子に…」

──ミイラ取りがミイラになった、みたいな?
「まさに…。またその子が在籍している店ってのが“座ったら5万円”は下らない高級キャバクラだったんで…。1回で10万円とかですから!金がいくらあっても足りないんですよ」

──いくら月給50万円も貰っててもヤバイね。
「普通ならそうなんですけど、その時は“貢いでくれる”女の子がいたんですよね」

──何それ?お金を出させてたの?
「そうなんすよ、その子もウチの不動産屋のお客で、風俗嬢だったんですけど、店舗で物件を紹介してる時からノリが良くて、こりゃあイケるかなって(笑) その後、物件の内見に行った時に抱き寄せてみたらその子もノリノリだったんで、結局そこでヤッちゃったんですよね(笑)」

──オイオイ、なんちゅー話だ(怒)
「んで話してみたら、ホスト君にメッチャ貢いでるような子だったんで、こりゃイケるんじゃね?って思って…。 キャバ遊びで金が尽きた時に『仕事で失敗してその穴を埋めないと…』とか嘘ついて」

──風俗嬢から貢いでもらって、それをキャバ嬢に貢ぐと…。ゲスいね~(笑)
「クソですよね~。そんな感じで夜な夜な歌舞伎町に繰り出してキャバクラで遊び回ってるうちに、その風俗嬢も“さすがにこれはおかしい”って気付いたんでしょうね。だんだんと『仕事で失敗したなんて嘘だ!』『他に女がいるだろ!』とか言ってくるようになって…。 ついにある日キレちゃって、ウチの会社まで乗り込んで来たんですよ!」

──あらららららら。
「『私はコイツにダマされて金を取られた!』とか『コイツはその金をキャバ嬢につぎ込んでた!』とか、挙句には『物件の内見で無理矢理ヤラれた!』とか、“ある事ある事”洗いざらいブチまけちゃって…」

──自業自得とはいえ、たいそうな修羅場だね。
「さらに運の悪いことに、その子が働いてる風俗店グループの幹部が、ウチの支店長の顧客だったんですよ。これまで結構な仕事を貰ってたみたいで…。おかげで問題が大きくならないようにと、自分は即日“クビ”っすよ」

■高収入求人サイトを見て、風俗業界の仕事を発見。

このようにして本田さんは、賃貸不動産業の会社を追わることになった。
もちろん貢いでくれていた風俗嬢も消え去り、転職活動せざるを得ない状況に追い込まれる。

「でも転職サイトを見ても、20代半ばで、月給30万円~50万円以上なんて仕事は中々ないんですよ。そんな時に、高収入求人サイトを覗いてみたら、風俗店の男性募集が出てたんですよね。
“正社員で月給30万円スタート”
“幹部候補・店長になれば月給50万円・60万円以上”」

──その給料体系だったら、これまでの稼ぎと変わらない。
そうですね。それに前の仕事で風俗業界の男性スタッフ達とよく会ってたんで…。何も知らない人だと、風俗店の従業員なんて不良かチンピラばかりだとか思われてるじゃないですか。まあ、確かにヤベエ奴はいますけど(笑)、でも自分は、そんな業界じゃないって分かってたんで、いいじゃんって思いましたね」

──それで高収入求人サイトを見て風俗店に応募したの?
いや、風俗業界の知り合いの中で、一番マトモそうって言ったらアレですけど、仲の良かった人に相談したら『じゃあウチで働きなよ』って話になって…。その人結構偉い立場だったから…。それで面接したら、あっさり採用になりました(笑)」

──何だか簡単に決まったね(笑)、さすが風俗業界、決断が早い。
採用が決まった後に、その偉い人にお礼を言うために電話したら『ウチは女の子に手を付けたら罰金百万円だからね♪』って優しい声で言われました(笑)
思わず背筋を伸ばして『はいっ!』って返事しましたよ。そこが今も働いてるデリヘルのグループで、その偉い人は今でも自分の上司です(笑)」

■そしてデリバリーヘルスへ転職!

――風俗店での仕事はどうでした?思っていたのと違っていた?
「う~ん、自分はデリヘルってこともあって、別段違和感はなかったですね。無店舗型の風俗店だから、事務所や待機所も普通の雑居ビルにあって看板も出ていないし、そこにスーツを着て出勤ですからね。
これが看板がドーンと出てる店舗型ヘルスとかだったら、ちょっと違ったかもしれないですけどね」

──なるほど。デリヘルの男性スタッフの具体的な仕事内容は?
「簡単に言うと、お客さんの電話応対、お店のWEBページの更新、備品の管理や整理、それに雑用。マネージャーになると女の子の出勤予定の確認や調整、それに女の子の悩みや相談に乗ったりっていう仕事もありますね」

──店舗型の仕事と比較して、デリヘルの仕事の大変さって?
「デリヘルの仕事って、店舗型とか他の業種と比べて簡単とか言われますけど、詳しく話しましょうか?
あくまでもウチの店の場合ですけど…」

【電話対応】
①お客からの問合せ②入室③配車のキャッチ④女の子の到着⑤次の場所の指定⑥女の子の退出
1回のプレイで最低でも6回のやり取りがある。
これが忙しい時間帯だと、4~5回線の営業電話と業務用の携帯が鳴りっぱなし。
お客・女の子・ドライバー、それぞれが今どんな状態なのかを的確に把握して指示を出さなければならない。
【WEB更新】
女の子のプロフィールや画像の更新・各コメントや画像修正・各風俗サイトや求人サイトの更新作業
【備品の管理や整理】
女の子の業務バック作り(女の子の持つローションやオプションなどの備品の準備)
【雑用】
待機室の清掃
【マネージャーになると】
面接対応・女の子の出勤確認・女の子のメンタルケア
【本田さんのお店の場合】
24時間営業で1店舗の女の子出勤が平均30名。
そのうち20名の女の子がコンスタントに電話が鳴る(仕事が入る)として、
1日約600件の電話に応対することになる。

――マネージャーになるまでにどれくらいの時間がかかった?
「自分は入社して半年でマネージャーになりました。特別ってほどでもないですけど、ウチの店では早い方かも知れないですね。業界全体が人手不足ってこともあるし、もともと学歴や経歴など一切不問の業界なんで、ホント色んな奴が入ってくるんですよ。
例えば自分と同時期に入ってきた奴は、勤務初日から3日連続で遅刻して来て上司が注意しても返事もせずに三白眼で睨んでくるとか…。まあそんな輩はすぐに消えていくんですけど…。
やっぱりキツい仕事なんで、人が育つ前に辞めちゃうんですよ。
だから普通に仕事しながら店に残ってれば、気が付いた時には出世してるって感じっすね(笑)」

──マネージャーになって女の子の管理とかしていたら、また悪い虫が騒がない?
「いやいや、ウチは風紀(女の子に手を出す行為)でクビ+罰金百万円だし、そんな気は起きませんよ。
不思議なもんで、自分の店の女の子となると、一切そういった異性としての興味はなくなりますね。やっぱりあくまで大切な商品なので」

■勤務1年余り、マネージャーという職種、その収入は?

「今の給料は、月給45万円~50万円程度ですね。役職手当や売上のインセンティブも含めてです。
勤務時間は、1日12時間。もちろん休憩はありますよ、2~3時間位ですけど。
休日は週1日が基本で、月6日です。拘束時間は長いですけど、自分みたいな奴が良い給料を稼ごうと思ったら、それぐらいは頑張らなきゃと思ってるんで、納得して働いてますよ」

──いやあ、想像してたより大変な仕事だね。
「ホント体力勝負なとこありますからね(笑)、男性スタッフが急に辞めちゃった時なんか、週休1日なんですけど、夜23時から出勤して朝5時迄の6時間勤務、その12時間後の夕方5時から夜23時迄の6時間勤務っていう、“半休”を“2回”で“週休1日”扱いってのもありましたから(笑)」

■さらなる高収入を目指して店長への出世を狙う。その後は・・・

――現在はマネージャーでその待遇だと、今後はどんな展開になるの?
「ウチの場合は、“チーフマネージャー”から“店長”と出世していけば、月給60万円以上。
また、店長になればインセンティブの金額も大きくなるので、月収100万円、年収1000万円も夢じゃなくなるんですよ。だから今は店長目指して頑張ってます。やっぱり稼ぎが良いに越したことはないですからね」

──そして店長になった後は、グループの幹部を目指す?それとも独立?ひょっとして不動産屋を開業?
「いや、まさか、不動産屋はもういいですね・・・。う~ん、今は夢とか特にやりたい事もないんで、何も決めてないっすね。でも30代で風俗業界を卒業したいかなぁ…。自分、子供が欲しいんですよね。そのためにも早く金を貯めて何か飲み屋でもやりたいっすよね。まあ、それまでにこの業界で目一杯稼ぎますよ!」

──最後に、本田さんから見て、この仕事に向いてる人ってどんな人?
「女の子と話すのが好きな人。女の子の話に上手く付き合える奴は合ってますよ。自分はやっぱり女好きなんでね、昔から(笑)」